二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.36 )
- 日時: 2010/01/30 14:44
- 名前: ターフ (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
奥州の米沢城から少し離れた庭に、奥州の主である伊達政宗は竹刀を振っていた。
だが、いつもより隙がありすぎる振りだ。
彼の近くで見守っていた小十郎は少し心配をしている。
なんせ、川中島の乱入作戦はあと一週間にへと迫っている。
今になって、竹刀の振りが隙がありすぎると戦いには望めれないのだ。
「・・・・・政宗様、少しお休めてください」
「・・・・・・・・」
小十郎の声が聞こえなかったのか、聞いていたけど知らん振りをするだけなのか分からなかったが、竹刀を振るだけ。
小十郎は少し困ったが、フッとあることを思い出し言ってみる。
「政宗様、さっき葵様のお部屋に入られましたよね?」
ピクン・・・・・・———。
政宗の竹刀が止まった。
「・・・・・どうされたのですか、一国の主である政宗様が———」
小十郎の言葉が詰まった・・・・。
政宗は苦しい顔をし、歯を思いっきり食いしばっていたのだ。
小十郎いるの場所でもすぐにその姿が分かった・・・・。
ふいに、政宗が口を開く。
「・・・・・・小十郎、俺を独りにしてくれ」
この言葉を聞いた小十郎は、ただ一礼して城へ向かった。
独りになった政宗は、拳を思いっきり握り近くの壁へと叩き付けた。
「・・・・・っ畜生」
気に入らなかった・・・・。
それは、葵の部屋へと入ったとき・・・・———。
政宗は久しぶりに楽しんでいた。
もちろん、川中島もある。
だが、一番楽しんでいるのは葵とまた修行が出来ることだ。
ガラッ・・・・———。
「葵、一緒に修行・・・・」
当の本人である葵は眠っていた。
あまり見られない珍しいものだった。
まぁ、いいかと思い政宗は葵の近くに座る。
「・・・・・やっぱり、お前はきれいになったぜ。今時だけ・・・・girlだな」
寝顔を見てそう呟いた。
きれいな白い肌、小さい手・・・・・———。
幼い頃から政宗は葵が好きだ・・・・———。
幼い頃、右目の光が失った時は結構励まされた。
いつも・・・・いつも・・・・・———。
幼い頃の思い出を思い返すと、昨日のようだ・・・・———。
「・・・・・子・・?」
「?、寝言か?」
そう言って葵をまじまじと見た。
口がかすかに動いている。
まるで・・・・・誰かと話しているようだ。
「・・・・葵、俺は「弁・・・・丸・・・・」!」
知らない名が出てきて、政宗は驚く。
さらに・・・・・・・———。
「約・・・・・・束・・・・」
その言葉に呆気を取られた。
“約束”・・・・・?———。
知らない奴と・・・・?———。
そう思ったら、なんだかモヤモヤした。
しかも、何故か苛立ってきた。
政宗は葵の部屋から飛び出した・・・・———。
気に入らない・・・・・———。
弁丸・・・・・いや、元服したと思われる男・・・・———。
後で、この俺が・・・・———。
この、伊達政宗が斬ってやる・・・・———。
そう思ってまた竹刀を振った。
その竹刀を振っていた所に、
「やぁ、あんた、独眼竜の兄さんだろ?」
大きな赤い傘を差した大柄な男が、話しかけてきた。
其の壱拾弐道 嫉妬