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その夜、結構豪華な食事が出てきたのに驚いた慶次は皿を全て平らげる。
葵はふう・・・とため息をつけた。
あの小さい頃から変わってない・・・・・———。
ふと、葵は政宗を見る。
が・・・・・———。
「・・・・・・・・・」
拗ねた子供のように政宗は葵から目をそらした。
葵は少し原因を知っている。
多分だが、自分が寝言で言ってたのを政宗がイラついたのだろう。
でも・・・・何を言ったのだろうか・・・・？———。
そう思って少し考える。
「葵〜♪一緒に食おうぜ、こんなに豪華だからよ♪」
慶次はそう言った後、猿の夢吉に「夢吉も食べようぜ♪」と付け加えた。
言われたらしょうがないかと思い慶次の所へ行こうとした時・・・・———。
「葵、少し部屋を出るぞ」
「・・・・・政宗？」
スタスタと政宗は部屋から出ようとしてるので、慶次に少し謝って政宗を追った———。

☆＊＊＊＊☆

調度よく、政宗の兜に飾ってある弧月のような月の光が政宗の座るところに差していた。（廊下の縁側）
「・・・・・どうしたの？」
政宗はもう少し寄れと言う仕草をしたので、葵は寄る。
すると・・・・・・———。
ポスンッ・・・・・・・———。
「？、・・・・政宗？」
「・・・・少し、この体制でいさせてくれ」
あまり甘えない政宗が、葵の背中に自分の背中をくっつける。
葵は少し驚いたが、政宗の珍しい所の為背中を貸す。
久しぶりのこの感触・・・・・・———。
小さい頃、一回この体制で話をしたこともあったけ・・・・・———。
二人は無言のまま弧月を見る。
葵がきれいだ・・・・と思っていたとき、政宗は口を開く。
「・・・葵、あの色男とはどういう関係だ？」
「・・・・幼馴染、かな」
政宗は少し驚く。
聞いたことがなかったのだ、幼馴染がいることを。
さらに政宗は葵に問う。
「・・・他に、幼馴染がいるのか」
「・・・・・うん、慶次とその他あわせて３人」
３人・・・・・———。
そんなに幼馴染がいるのかと言う関心に対し、何故かまだ胸の中がモヤモヤしていた。
「じゃあ、弁丸って言う奴を知っているか？」
葵は少し驚いた顔をする。
葵はこの頃、変な夢を見続けているのだ。
しかも、知らない声の主が約束の相手と言う「弁丸」の名前を口にしていた。
何故、政宗が知っているのか・・・・・———。
それが一番分からなかった。
葵は少し疑問をよぎらせ、顔が見られていないか気になった。
だが、背中合わせだった為見られていないのに気が付いた。
葵は少し迷ったが、
「・・・・知らないよ、そんな人」
と、ただ言葉を返した。
そんな政宗は何も言わず、ただ黙っていた。
葵はすんなりと逆に質問をする。
「・・・・行き成りどうしたのさ、政宗。そんな事あまり言わないのにさ」
すると、驚く答えが返ってきた。
「・・・・・お前の寝言で聞いたんだよ」
寝言・・・・・・———。
やはり、聞いていたんだと葵は思い少しうつむく。
「・・・・でも、知らないなら知らないでいいぜ。・・・分かったか、you see？」
「・・・・それで、今日慶次を倒そうとしてたの？」
少しビクッと震え、政宗は必死に答える。
「あぁ・・・色男には悪いと思っているさ」
政宗にとってこの言葉しか浮かんでこなかった。
今も、この状態が長く続くとなんだか嫌われるのではと思ってしまう。
そう思い、政宗は瞼を閉じる。
「・・・・・・今日は怒りすぎたよ。ごめんね、政宗」
「！！、な、何で謝るんだ？！俺が一番———」
振り向いたら、葵は一粒の涙を流していた・・・・———。
「あ・・・葵・・・・」
「・・・・また、政宗を困らせちゃった。・・・やっぱり僕は・・・・弱すぎ「それ以上・・・言うんじゃねぇ！」！！」
葵は一瞬分からなかった・・・・———。
背中が温かい・・・・———。
「政・・・・む・・・ね？」
恐る恐る見ていると、葵はやっと理解した。
政宗に抱きしめられているのだ。
政宗は少し小さく葵にボソッと言う。
「葵・・・・・俺は幼い頃から、お前のことが・・“　　　”」
「・・・・！！———」
葵はただただ驚くしかなかった・・・・———。

其の壱拾四頭　驚きの弧月

☆アトがき☆
こんにちは、読んでくれてありがとうございます。
ターフです。
やっとついに１４話ですｖｖ
あまり話が進まなかった私にやっと転機が訪れた！！
この話の最後に政宗がいった言葉の“　　　”の間、分かった人は恋愛大好きな人ですね！！
最初は躊躇している私でしたが、「こんな技法もあるんだ！！」と初めて知りました。（小説をやり始めた頃）
こんな人ですが、これからもどうぞよろしく！！