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——奥州——
葵は朝早くから目が覚めてしまった。
「・・・・・・・」
寝返りを打つが、なかなか寝られない。
葵は仕方がないと思い、布団から出る。
ふと、昨日の政宗のやり取りを思い出した。
「・・・・政宗が、ね」
あの時、聞いてはいけないものを聞いたような衝撃だった・・・・———。
あの時囁かれたような言葉・・・・———。

　　　　　　　“好きだ”———。

「・・・・・っ」
どうして、こんなに優しく囁くように言うのだろう・・・・・・？———。
自分は政宗のようには強くないのに・・・・・———。
甘える自分は好きじゃない葵は、気持ちが落ち着かないまま部屋を出た・・・・・・———。

★＊＊＊＊★

「・・・・・・・」
寝られなく何回も寝返りを繰り返す奴がここにもいた・・・・。
「奥州筆頭」である伊達政宗だ。
昨日のことがあってか、なかなか寝つけられない。
その前に、自分の行動に驚いてしまったのだ。
普通はあんなことは出来るはずはない。
「・・・・起きっかな；」
眠気覚ましのため、自分の部屋から出た・・・・・・———。

其の壱拾七百　昨日の出来事に