二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.569 )
- 日時: 2010/04/23 17:05
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
☆番外編1 〜梵天丸の好きな人〜 ☆
——奥州・米沢城——
「来ないかなぁ・・・・?」
少し嬉しそうな声が聞こえる。
ある部屋の窓には、右目に包帯を巻いた男の子がいた。
その男の子は待ちきれずにいる。
この男の子の名は梵天丸。
まだ、元服をしていない伊達家の一族の子だ。
しかも、今当主の十六代目である伊達輝宗の息子。
「梵天丸様、奏牙様はまだですよ・・・;」
梵天丸よりもしっかりした兄のような男が言った。
梵天丸はムッとする。
「小十郎、まだでも俺は待ちきれないのだ!」
「お気持ちは分かりますが・・・;」
小十郎と呼ばれた男は苦笑した。
彼の本名は片倉小十郎影綱。
皆の愛称は「小十郎」と呼ばれている。
しかも、小十郎は梵天丸の最初の部下であり神職の息子でもあった。
小十郎は何かに気が付き言う。
「それにしても梵天丸様・・・・——包帯がほつれているような・・・?」
「——ッ!!」
さっきまでほつれていなかった包帯のほつれを指摘され梵天丸は白状する。
「そ・・・そのだな、奏牙がこの前『少しほつれたほうが良いよ』とい・・・言って・・・///」
語尾がゴニョゴニョとし、更に赤面した。
「あぁ、そう言う事でほつれさせているんですか;」
小十郎は梵天丸が赤面するのを知っている。
まぁ、本人が気が付かないだけだろう。
“奏牙”・・・・・・・・・・——。
その名前の子は梵天の従妹の名前である。
梵天丸が五歳の時、病によって母親に嫌われた為本当はこんなに明るくなかった。
だが、いつも励ましていたのは小十郎よりも従妹の奏牙であった。
・・・・梵天丸様の笑顔は・・奏牙様のおかげですかねぇ・・・?——。
そう思っている反面、梵天丸の包帯を直した。
梵天丸は赤面になりながら反論したが、小十郎の言う事を聞くようにした・・・・・・・・・———。
(これが幼き頃の伊達政宗の“恋”の始まりの話)