二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.583 )
- 日時: 2010/04/25 11:35
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
☆番外編3 〜幼き忍〜 ☆
「母上・・・父上・・・姉上・・・どこにいるの・・・・?」
泣きじゃくりながら真紅の髪色で少し髪が長くなっている幼い子供はそう言って探す。
元々、ここは村だった場所。
だが今は・・・焼け残った家ばかりの荒地へと変貌していた。
子供は必死に探す。
この子供の名は風神ツカサ。
一家四人家族で、静かに楽しく暮らしていた子。
姉思いですぐに姉の指示はよく聞く普通の子だった。
だが、その姉はいない。
ツカサの姉は本当は今日、結婚式を挙げる日なのだ。
だが、一夜にして村人や両親など全ていなくなった。
ツカサはそれを知らない。
「姉上・・・!姉上・・・・!」
愛しい姉を探すが見当たらない。
だがツカサは探しまくった。
一人ではどうも寂しくてしょうがないから。
「・・・・皆、どこ?どこに行ったの!?」
そう叫ぶ内にどんどん涙が溢れていく。
・・・嫌だ!・・・一人は嫌だ!!——。
そう心が渦巻いていた。
少し疲れて体育座りをしてうずくまる。
その時・・・・・・・・・・・・———。
「まさか、子供一人が生きてたとはね・・・」
「——!?」
ため息が聞こえた方にツカサは振り向く。
そこには、ツカサより一歳年上の子供がいた。
ツカサは目を見開く。
「運が強いねぇ、お前。俺だったら死んでたかもな」
「・・・・誰?」
ツカサの呟いた声を聞き取ってその子供は言う。
「ん?名前か?俺は佐助。ここの所の状況を伝えるように命じられて来た」
「?・・・ここの?」
「あぁ。・・・でもお前、ここの状況を知ってないだろ?」
ツカサは間を少し開けて頷いた。
佐助はやれやれと言うばかりの顔をする。
「まぁ、さっきから探し物してたし教えてやるよ。ここの村はな・・・・——織田信長に襲撃されて滅びたんだ」
「——!?・・・嘘だ・・!」
ツカサは佐助を強く見る。
佐助はフルフルと横に首を振った。
・・・滅んだ・・皆・・・いない・・・——。
がくがくと膝が震えた。
その様子を佐助は見つめてツカサに言う。
「・・・・受け取れないのはしょうがないとは俺様も人間だから知っている。だが、この世は戦国割拠の時代だしこんな事もある。・・・真に受けろよ?」
「・・・・・・・・」
ツカサはうつむいてシクシクと泣く。
佐助はその場から立とうとするが、ツカサが気になってしょうがない。
「・・・・たくっ・・しょうがないなぁ;」
ツカサの目の前に手を差し出した。
ツカサは驚いて佐助を見る。
「お前を一人にするとなんかやりだしそうで怖いから俺様と・・・——忍をやらないか?」
「えっ・・・・」
「忍をやると嫌な事も忘れられるしかなり環境が良い。修行は少し厳しいけど飢える事もない。・・・どうだ?」
「——!・・・・やる!」
ツカサは涙を拭き取って佐助の手に手を置いた。
「そう言えば・・・お前の名前は?」
佐助はツカサに名前を聞いてないのに気が付いて聞く。
ツカサは笑って言った。
「俺は・・・・・・風神ツカサ!」
(この運命は偶然過ぎる奇跡の始まり)