二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.621 )
- 日時: 2010/04/30 09:05
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
☆番外編4 〜アニキと鬼が島〜 ☆
雲ひとつ無い晴れ晴れとした四国。
「未だに眠いぜ・・・」
銀髪で左目に紫の布みたいな眼帯をした男が呟いて背伸びをした。
彼の名は長曾我部元親と言って、まだ「西海の鬼」と言う異名を名乗っていない頃だった。
「——おはよう、元親」
「——!、朝起きるのが早えな・・・葵」
砂浜で座っていた男に言った。
いや、座っているのは男ではなく男装した女だ。
彼女の名は神楽葵と言い、まだ元服したばかりだ。
元々、葵と元親は小さい頃に一度会っていて今では幼馴染の中の幼馴染。
元親は葵の隣に座る。
「朝早いのは体に良い事なんだよ?」
「へぇ、それは初めて知ったぜ」
「なら、明日から始めたら?」
ニコッと葵は元親に笑う。
元親は少し苦笑して返す。
「けど、俺は夜行性タイプだから無理だと思うぜ?」
「夜行性でもちゃんと起きなよ」
葵も少し苦笑して笑った。
確かに、朝早く起きると戦の準備が速くなるが四国は未だ大きな争いが無い為ほのぼのしている。
二人で他愛の無いお喋りをしていたら・・・・・・・・・・・・———。
「も、元親様!!」
元々、長曾我部に仕えていた家臣の一人が慌てて来た。
「どうした?鮫でも出てきたのか?」
心配そうに言うと家臣は息切れをしながら横に首を振る。
「いいえ・・・!違います・・・!」
「じゃあ何だよ・・・。俺以外に親父とかに頼めば言いじゃねぇか」
やれやれと言うような顔をする。
元親には三人の兄と一人の弟、両親がいてこの時代ではかなり子沢山家族であった。
「ですが、元親様のお父様と三人方の兄様が今日はいないと言っており・・・;」
「な、何!?」
普通は元親の父と三人の兄はあまり出張しないのだ。
葵は思い当たる節があり元親に言う。
「そう言えば、元親のお父さんと三人の兄と僕の両親がどこかに行くって言っていたけど・・・」
「・・・・あ」
元親もその言葉を思い出した。
一昨日だっただろうか、ある一人の兄から「明後日はいない」と手紙が来たのだ。
それを思い出して少し元親は苦い顔をする。
「・・・仕方がねぇなぁ、で用は何だ?」
「は、はい・・・実は少し離れた島である鬼が島に鬼が出たとの噂で・・・」
「「——鬼!?」」
ありえないように二人はハモった。
普通なら「桃太郎」で出てくる空想なキャラなのだがまさかと思った。
結局、葵と元親は鬼がいると噂されている鬼が島へと向かった・・・・・・・・・・・・———。
☆****☆
「ったく・・・何で俺がやらなきゃいけねぇんだ」
「まぁ、退屈しのぎで良いじゃん;」
葵は苦笑して元親に言った。
葵たちは一応準備してから上陸した。
もちろん、準備と言うのは自分の武器。
葵は青龍扇と槍二本を装備で、元親は父から貰った碇槍を持った。
「・・・変わった槍だね」
「ん?あぁ、まぁな」
変わった形状の槍を葵がまじまじと見る。
多分これは南蛮技術が入っている碇槍なのだろう。
持ちやすくかなり頑丈なのだ。
準備が整ったのを見て、二人は鬼が島の中に入った・・・・・・・・・・・———。
☆****☆
二人は歩いて数分後、不気味が悪い洞窟に来た。
「何て不気味悪い所なんだよ・・・」
「しかもかなりこうもり飛んでいるしね;」
キィキィと上からこうもりの声がしていた。
すると・・・・・・・・・・・・・———。
「——誰だ?お前ら」
「「——!!」」
行き成り声がし振り向くと・・・・・・・・・・———。
鬼本人が目の前にいた。
「「お・・・鬼!?」」
二人は異口同音として言う。
鬼は少し「?」マークを飛ばした。
まさかの本物が現れたのだ。
二人は武器を構える。
「ちょ・・・待つのだ;!」
鬼は行き成り武器を構えた二人に言った。
「待てって言われても、俺たちは鬼退治を言われているんだ!」
元親は少しビビりながら言う。
鬼は少しシュンとなる。
葵は何かを察知し、武器を・・・——降ろした。
「あ、葵!?」
意外な行動に元親は驚く。
葵は鬼に向かって言った。
「貴方・・・・もしかして、一人ぼっち?」
「・・・・・・・・・」
コクンと頷いて下を向いた。
元親は驚いた顔をして見ていた。
一人ぼっち・・・・この鬼は・・・・・——。
「じゃあ、僕とこの人が友達になって良い?」
「——!・・・い、いいのか・・?」
葵は笑顔で頷いて元親を見て言う。
「良いよね、元親?」
「あ・・・あぁ」
意外な展開に元親は少しその場で亜然していた・・・・・・・・・・・・———。
(たまにはこんな話も悪くないでしょ?)