二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.69 )
日時: 2010/02/07 08:52
名前: ターフ (ID: 3c0JYUg8)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

——奥州——
「いや〜、すまんねぇ♪」
慶次は幼馴染である葵に笑顔を見せる。
「・・・・別に?」
プイと慶次の言葉をすんなりと葵は返した。
慶次は少し苦笑したが、何かを思い出し葵に言う。
「そういえばさ、ここに来る前にさ道中で聞いた話なんだけどよ」
「?、・・・・話?」
葵は少し首を傾げる。
慶次は少しドキッとするが、すぐに話しの内容を言う。
「あぁ、葵・・・・・———川中島の戦いに参戦するのか?」
「・・・・・!!」
ピクンと葵は少し反応する。
慶次はその反応を見逃さなかった。
やはり・・・・・あの・・・・———。
「・・・・伊達男が言ったのかい?葵はあまり戦が好きじゃないのに“戦に出ろ”って」
「・・・・・・・・」
葵は無言で言葉を返す。
慶次は少しハァ・・・とため息をつける。
別に伊達男には反論がないが、葵にとってはかなりのショックになる・・・・・———。
そう思った慶次は、話を続ける。
「・・・・俺的には、そんなのはヤダね。葵も分かるだろう?戦では多くの命が失うことをさ」
「・・・・・・・」
「だから、今からでも遅くねぇ・・・・。あの伊達男を説得して「・・・・あれは、僕が頼んだことだ」?!」
無言で返していた葵が、口を開いて言った。
慶次にとって呆気を取られたような衝撃が走る。
あの、戦が嫌いな葵が・・・・“頼んだ”と言ったのだ。
幼馴染付き合いがかなりあったとしても、慶次はいつも葵と一緒にいたわけじゃない。
でも、幼馴染になった頃から慶次は葵の性格を知っている。
ふと、慶次の口から言葉が漏れる・・・・・。
「・・・・あんまり、無茶はするなよ?」
「!!!」
葵の顔に衝撃が走ったような驚いた顔をする。
慶次が、いや、唯一の幼馴染が、こんなに弱い自分を心配してくれるのだ・・・・。
その言葉を言われて、ふと心の中がスッと軽くなった。
葵はいつの間にか笑顔を見せ、
「・・・・・ありがとう」
と、いつの日に忘れていた言葉を言った。
慶次は少し動揺したが、すぐに落ち着き苦笑する。
「・・・・葵、また遊びに来いよ?」
「・・・・うん、また」
そういった二人は、一瞬だけあの幼馴染になった頃に戻れた気がした・・・・・・———。

其の弐拾壱一 近くの存在