二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.751 )
日時: 2010/05/16 16:50
名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)

☆番外編6 〜団子と桜と…〜☆
奥州を抜けて越後の近くにある甘味屋で慶次はゆっくりお茶をすすっていた。
「ぷはぁ〜・・・やっぱり良いねぇ♪旨い団子にお茶の組み合わせってな」
夢吉は「キキキッ」と言って頷いた。
調度外の席が空いたようなので、慶次は外の席へと移動する。
そこには・・・・・・・・・・・・———。
「——見ろよ夢吉、桜吹雪だ!」
綺麗なピンクに染まった桜の花の一つ一つが大きな吹雪のように舞っていた。
「・・・・あの頃を思い出すねぇ」
慶次はそう言ってまたお茶をすすった・・・・・・・・・・———。

☆****☆

「痛いぜ・・・まつ姉ちゃん!;」
「まったく・・・慶次が無謀な悪戯をするからですよ!」
加賀のある城に幼き慶次がいた。
幼き慶次は無謀すぎる悪戯をして、いつも怪我をしていた。
慶次は少し頬を膨らませ、前田利家の妻であるまつに言う。
「俺は・・・・武家なんか性に会わないんだから仕方がねぇだろ・・・」
「・・・まったく、慶次はいつもその言葉ばかりで飽きれますわ」
ハァ・・・とため息を付いた。
今日は偉い人の家族が来ると言われていたのだが、こんな慶次を見せられない。
「慶次、静かに待っているのですよ?」
「へいへい」
素っ気無い言葉を返した。
まつはまたため息を付いて、部屋の奥へと行ってしまった。
慶次はいなくなったのを見て愚痴を言う。
「・・・チェ、つまんねぇの」
そう言って部屋から出てすぐの縁側へと移動した時・・・・・・・・・・・・・・———。
「——凄い!桜吹雪だ〜!」
「——?」
見知らぬ女の子のような男の子が桜吹雪の中、キャッキャッと騒いでいた。
慶次は、はてと思う。
この城には子供などは入れないはずなのだが、いつの間にかいた。
・・・・この子、座敷わらしか・・?——。
座敷わらしとは、小さな子供の妖怪で幸運をその人に伝える優しい妖怪だと慶次は知っていた。
慶次はその子に聞こえるように言う。
「お前さん、何やっているんだ?」
「——あ・・・!」
さっきまで気が付かなかったのか驚いて振り向いた。
貴社な幼き体に小さな手、少し大きな瞳で慶次は悟った。
女の子のような男の子ではなく、男の子のような女の子だと。
その小さな女の子はハッとし言う。
「すみません、怪しい者じゃありません!僕、父上と母上と一緒に入ってきました!」
その言葉を聞いて慶次はピクンと反応した。
今日、偉い家族が来ると聞いていた。
もしかしたら・・・・この子・・・・———。
「いや〜、俺何も疑ってないから気にすんな;座敷わらしかなぁ〜って思っただけでさ」
「・・・座敷わらし?」
キョトンと女の子は首を傾げた。
慶次は苦笑して言う。
「俺は前田慶次。座敷わらしが知らないなら良いさ。それよりも・・・お前さんの名前は?」
「僕?僕ねぇ・・・神楽奏牙だよ♪」
奏牙が笑顔を見せると何故か桜吹雪の中の幸せを呼ぶ座敷わらしに見えた。
その後、幼き慶次と奏牙は三色団子を食べる。
もちろん桜の木の下で・・・・・・・・・・・・・・・———。

☆****☆

「あの頃も・・・・楽しかったなぁ」
夢吉は「キキキッ?」と聞いてくるように声を張り上げた。
慶次は少し苦笑して言う。
「少し幼い頃の記憶を思い出しただけだぜ、夢吉」
三色団子もそろそろ最後の一本となった為、慶次は少し桜の木の下で鼻歌をしながら食べていた・・・・・・・・・・・・———。

(貴方の幸運、それは何ですか?)