二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.768 )
- 日時: 2010/05/21 15:26
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
☆特別番外編1 第一章〜雪と白虎、出会う〜 ☆
特別番外編・・・それは、キャラたちが本編に知らせていない事件を描いたものである。
今回は、主人公である葵のある事件である。
これは、葵が白虎になる前のエピソードだ。
調度、葵が米沢城を抜け出した後の話の事だ。
葵が白虎になった引き金・・・それはある女との出会い・・・・・・・・・・———。
葵の事件、今開幕・・・・・・・・・・・———。
「・・・・冬、か」
若い青年の男は、チラつく雪を見てそう呟いた。
身なり的にはかなり身分の高い侍だ。
だが、彼は男ではなく女だ。
彼と言ったら等しくない為、彼女と呼ぼう。
彼女の名は神楽葵と言い、数日前に両親を亡くした。
そんな彼女、葵は数時間前は奥州の米沢城の部屋に篭っていたが抜け出して来たのだ。
「・・・・・・政宗」
葵の従兄・・・今の本編では兄妹の兄としている奥州の若きカリスマで「独眼竜」と言われている伊達政宗の名を呟いた。
葵は政宗の許可無く飛び出してきたのだ。
何故抜けてきたのかは葵がある理由をもったからだ。
その理由は、自分を鍛える為。
葵は亡くなった両親のトラウマを終わらせる為、こうして城から出てきたのだ。
自分を責めてきたからこそ、強くなってから帰って行くのだ。
・・・・・悪い事・・したね・・・——。
自分の嘘で逃げ出し、行方をくらますのは簡単だが罪圧感が襲っているのだ。
「・・・・・・寒い」
ブルッと寒気が体に刺さる。
そして、小さくお腹が鳴った。
さっきから何も食べていないのだ。
宿屋があれば助かるのだが、流石に葵が今いる地域には無かった。
「・・・・ねむ・・い」
ドサッ・・・・・・・・・・・・・・・・・・———。
クラクラとした後、葵はそのまま倒れた・・・・・・・・・・———。
★****★
パチパチッ・・・・・・・・・・・・・・———。
葵の耳はさっきまで聞いた事が無い音を捕えた。
「・・・・ん」
瞼を開けると部屋の天井があった。
天井と言っても城の天井ではない。
農民の家の天井のようだ。
「・・・・ここは・・?」
辺りを見回す。
火鉢がまたパチパチと音を立てている。
その他の事は暗いせいで見えないが、多分客室なのだろう。
そこへ・・・・・・・・・・・・・・・・———。
「——大丈夫ですか?」
「——!」
ガラッと戸を開けて入って来たのは・・・・——か弱そうな女。
葵は少し留まったが頷いた。
彼女は葵が頷いたのを見てホッとした。
「驚きましたよ、お侍様。雪道で倒れていたのでもしかしたら・・・と思ってしまいました」
「・・・・・すまない」
葵はその事を聞いて思い出し、か弱そうな彼女に謝った。
彼女は少しオドオドする。
「い、いえ!謝らなくてもいいですよ;・・・・無事で良かったです。・・・それよりも、お侍様はどうしていたのですか?」
「あぁ・・・・実は少し、宿屋を探していたもので」
葵は嘘を付かずに言った。
何となくだが、彼女に嘘を付いてはいけないような気がしてだ。
彼女は葵の言葉を聞いて少し同情をし言う。
「そうでしたか・・・。ここら辺には宿屋が無いですものね・・・。あ、なら私の家に泊まっても良いですよ?帰りたい時には帰ればいいですから」
「・・・・・だが、邪魔では・・?」
彼女はフルフルと首を横に振った。
「いいえ、私は逆に嬉しいんですよ。あ、私の名前は雪と申します。お侍様の名前は?」
「・・・・・神楽葵」
「葵様ですね?分かりました」
雪はそう言った後、夕飯の仕度を始めた・・・・・・・・・・・・・・———。
(これが葵の異名である「奥州の白虎」を名乗る前の運命の悪戯と言う出会いだった・・・)