二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.786 )
- 日時: 2010/06/05 08:36
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 8keOW9sU)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
久々の更新!
葵が去った後、政宗は疲れたようなため息をして自分の部屋へと向かう。
今日一日、色んな事がいっぱいあって疲れたのだ。
特に葵と一緒にいる時がかなり緊張してしまい脱力感が襲ってくる。
・・・・俺も・・・まだまだだなぁ・・———。
自分の父親の後ろ姿を思い出してそう思った。
クシャッと髪を触ったその時・・・・・・・・・・・・・———。
「——葵様は行かれましたか、政宗様?」
「——!・・・小十郎」
もう就寝していたはずの小十郎が柱に寄りかかって政宗に話しかけてきた。
行き成りの登場に驚く政宗だが、逆にリラックス出来た。
フゥと息を吐いた後、少し笑みを漏らして言う。
「あぁ、Smileな顔で行ったぜ」
「・・・そうですか」
小十郎の言葉は少し寂しそうな言葉だが、口調的には嬉しさがあり政宗にすぐさま伝わった。
政宗は少し苦笑した後、過去を振り返るように言う。
「だが、俺もまだ甘い奴だぜ。・・・こんなに葵が恋しいとは思わなかった」
「政宗様・・・」
その言葉の口調は優しく、トロンとしたような言葉。
幼い頃から好きな人が出来る人ならではの言葉だと思うほどだ。
政宗は少し頬を赤らめて続けて言う。
「妹だとしても俺にはどうでも良い・・・。俺は葵が好きでたまらない。いや、好き過ぎるんだ・・・。だから俺は、まるで沼の底に沈んだような・・・・——葵を助けたい」
「・・・・・・・・・」
小十郎は熱弁する政宗の姿をジッと見る。
幼い頃から小十郎は腹心として政宗を見てきたが、こんな姿の政宗を見たことが無い。
いや、これが素の方の政宗の姿に違いが無いのかもしれない。
「・・・・小十郎、俺は・・——葵がいると弱くなっちまう。まるで幼い頃に戻ったように」
少し歯音を立てて、悲しい瞳を揺らした。
小十郎はその姿を見て言う。
「・・・それこそが葵様の良い所だと小十郎は日に日に思います。葵様は気高く、男勝りなお方・・・。政宗様がそう思っていても、葵様は政宗様がお強いと思っていると思います」
「・・・そうか・・?」
「えぇ、御兄妹である御二方が思わないのはありえませんから、ね」
小十郎は政宗に笑みを見せた。
その笑みを見た政宗は和らいだ顔で微笑み返した・・・・・・・・・・・・・・・———。
其の壱百参拾空 その日の夜