二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.843 )
日時: 2010/07/10 15:31
名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 8keOW9sU)
参照: http://yaplog.jp/000331/

「葵殿!」
館に入って少し経った後に幸村に出会った。
幸村はすぐさま近寄る。
「伊達殿の手紙から聞いておりましたぞ!まさか来るとは・・・某、思いもよらない所存!」
「政宗・・の・?」
少し驚いてしまった。
まさか、政宗が自分よりいち早く手紙を出しているとは思わなかった。
葵の驚きに幸村は少し「?」マークを出す。
葵の気配で悟った佐助は少しため息を吐いた。
「そう言えば旦那・・・——「奥州の白虎」さんの部屋は?」
「おぉ、そうであった!すぐ近くの曲がり角だ、佐助」
佐助は「はいはい」と言ってすぐさま歩いて行く。
葵は見失わないように急いで付いて行った。
幸村は少し佐助のあの素早い行動に疑問を持つ。
「・・・何故嬉しそうに急かしているのだ、佐助は?」
そう呟いた後、信玄に報告する為急いで走って行った・・・・・・・・・・・・・・・・・・———。

★****★

「ここが部屋だってさ」
佐助の案内により葵は部屋に入る。
なんとも少し懐かしい感じに思える。
・・・ここに・・来た事があるような・・・・・———。
多分そう思うのは「弁丸」と一緒にいた部屋の匂いと同じなのだろう。
少し感傷に浸っていると・・・・・・・・・・・・・・・———。
「——これでやっと、ゆっくり話せるね」
「——?!」
カタンッと佐助は部屋の戸を閉める。
意味が分らない葵は少し混乱した。
佐助はその姿を見て苦笑する。
「クスクス・・・やっぱり昔から変わんないねぇ——葵ちゃん♪」
「——・・・何故、名前を?!」
さっきまで「奥州の白虎」と言っていた佐助が、行き成り葵の名を言った。
佐助は少しキョトンとする。
「何故って昔から知っているでしょうに」
「・・・どう言う意味だ?」
その言葉で少し佐助はガクッとした。
葵は悪気がない為「?」マークを連発する。
「俺だよ俺?あ、そうか。この防具をはずせば分る?」
額に付けてあった防具をはずし、逆なでした髪を少し整えて見せた。
「——あ・・・」
葵は眼を見開く。
「——さす・・・け?」
「ピンポ〜ン、正解」
佐助はしてやったりのような顔をして笑う。
葵は久々の幼馴染の姿を見て・・・——涙がこぼれた。
「あ、あれ?!ちょ、葵ちゃん?!」
予想していない展開に佐助は焦り、近寄る。
すると・・・——葵は佐助をギュッと抱きしめた。
「ちょ、えぇー!???」
佐助は困惑して声を大きくする。
「——・・・・何で会いに来てくれなかったの」
この一言で、困惑していた佐助はすぐさま冷静になった。
「・・・葵ちゃん?」
「・・・・久しぶりに幼馴染同士で・・いろいろ語り合いたかったのにぃ・・。こんな形で・・・——再会するとは思っていなかったんだよ・・・!」
葵はまた涙をこぼした。
佐助はその姿を見て少し苦い笑顔をする。
「うん、ごめんね・・・葵ちゃん。俺様だって忍だし、葵ちゃんは奥州の独眼竜の旦那の下にいたしねぇ」
佐助は葵の頭を優しくなでた・・・・・・・・・・・・・・・・・———。

其の壱百参拾九猛 突然の事