二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA【月に誓う…〜記憶を追い続けて〜】 ( No.98 )
- 日時: 2010/02/27 12:33
- 名前: ターフ (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
——川中島より少し離れた山奥——
「・・・ここかな?」
早馬を止め、そう呟いた。
少人数で引き連れた葵は、森を抜けた草むらへ来た。
とは言っても、葵の方向音痴のため少し道を迷ったが・・・・;
見渡す限り、人の気配がない。
「葵様、もしかしたら川中島に行ってしまったんじゃありませんかぁ?」
伊達軍の一人が葵に向けて言った。
「・・・・・」
葵は無言で返す。
何かが・・・来る・・・———。
「?、どうしたんで「・・・静かに」!」
ドガガガガッ・・・・・・———。
向かいから、早馬の足音が聞こえた。
どうやらビンゴのようだ。
そして、かすかに声が聞こえる。
「——け、こっちで合っているのだな!!」
「——結構近いよ、旦那!」
その声の主が誰なのか葵は知らないが、伊達軍の部下達は少し青ざめて言った。
「さ、真田幸村の声だ・・・!!」
「やべぇよ・・・あいつは化け物だ・・・!」
「?、真田・・幸村?」
葵はそう言うと・・・・・・———。
——“ほら、葵は良い子だね。渡り合えたよ?”——
「——っ、また・・・あの声・・」
葵の変化に気が付く部下は、幸いいなかった。
ザッ・・・・・・———。
葵はすぐさま、向かいに早馬を止めた軍隊に目を向けた・・・・・・———。
★****★
「佐助、こっちで合っているのだな!!」
真田幸村は、猿飛佐助に聞こえるように大きな声で言う。
「ちょ、真田の旦那;大きすぎるでしょ、声がさ・・・;でも結構近いよ、旦那!」
そう言うと真田幸村は、胸を高鳴らせた。
あの「奥州筆頭」伊達政宗とまた刃を交えられるのだ・・・・・・———。
高鳴らせないほうがかなりおかしいだろう・・・・———。
そう思ったとき・・・・・・———。
——“ほら、君も渡り合えたね。さすがだよ”——
「——?!、また・・・あの声」
「?、どうしたのさ、真田の旦那」
ハッと我に帰り、なんでもないと言った。
もうすぐでこの闇も抜ける。
少し明るい草むらの向かいには、伊達政宗がいるのを信じ、早馬を止めた・・・・・・———。
其の弐拾八磨 渡り合う双方