二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: バトルテニス=バトテニ= ( No.5 )
- 日時: 2009/12/11 17:53
- 名前: 亮 (ID: 2nrfRM.C)
27 主催者
「皆さん、初めまして☆ 中務っていいま〜す
ここからは俺がこのゲームの監督だから、ヨロシクねッ」(中務)
聞こえたのは、男の声。
竜崎先生ではなく、男の声。
やけに明るく、“初めまして”なんて言って、自己紹介までした。
誰なんだ、この男は。
「まず、死亡者の確認と禁止エリアを言うね。
えっとね〜青春学園、河村隆くん、氷帝学園、滝萩之介くん、立海大付属、柳蓮二くん、仁王雅治くんの 4人だよ〜 残りは23人! 頑張ってね!
それと、禁止エリア! A-2、C-7・・・D-8も禁止エリアね。 死にたくない人は速やかにそこを 出ること」(中務)
「ここは・・・禁止エリアだな」(跡部)
「ですね」(香澄)
それよりも・・・この男は誰なんだ?
「竜崎先生は、どうしたんだ?」(海堂)
あんな裏切り者のババァ、知ったこっちゃねェけど。
やはり、恩師だ。
気になってしまう。
「あッ そいうえば皆、俺が何者なのか気になってんでしょ?」(中務)
まるでこっちの様子を見ているかのように、中務が言う。
「俺はねー・・・このゲームの主催者ってヤツかな。
それと、キミたちの大好きな竜崎先生は、途中からこのゲームに反対し出しちゃってさー
めんどくさいから・・・」(中務)
まさか・・・まさか・・・
この男は・・・
「眠って貰ったよ」(中務)
“眠る”
中務の言う“眠る”は“死んだ”と言うことなんだろう。
まるで日常のことのように、平然と言う。
そのまさかだ。
中務は、竜崎先生を・・・殺したんだ。
「竜崎先生・・・」(香澄)
香澄が呟いた。
目には、涙が滲む。
“反対した”
中務の言葉が、頭の中にこだまする。
竜崎先生は、もう、心を失ってしまったんだって。
私たちを見殺しにして居るんだって。
諦めていた。
すがることも出来ないほど、あの人の目は冷たかった。
だけど・・・心を失っては居なかったんだ。
私たちのために・・・反対してくれたんだ。
なのに、なのに、私たちは。
裏切り者と決めつけ、憎み、恨むことしかしなかった。
誰も、それでも尚信じようとはしなかった。
「ごめんなさい・・・先生・・・」(香澄)
「香澄・・・」(桃)
桃は、香澄の肩を静かに抱いた。
桃の目にも、涙が滲んだ。
強くなるって、決めたのによ・・・
涙って、こんなに簡単に出てくるモンなんだな。
「青春学園の諸君、ゴメンね?」(中務)
“ゴメンね”
そんな言葉で片づけるのか。
人の死を。
「ここまでにしようかな、今回の放送は。 んじゃ、次からはちゃんと6時間ごとに放送するよッ
またね☆」(中務)
放送が終わった。
5人は静まりかえる。
あまりにも、突然すぎる出来事。
新しい敵の登場。
ムカツクはどに明るい、このゲームの主催者。
最低だ。
「出ましょう。 禁止エリアなんで、危ないです」(香澄)
冷静に香澄が言う。
「あ、あァ」(赤也)
皆を支えたい。
私には、それぐらいしか出来ない。
いつも笑っていよう。
それだけで、安心する人が居るならば。
「頑張りましょうねッ 必ず、生き抜こうよ!」(香澄)
香澄がそう言って振り返る。
その時思ったんだ。
こんな状況でも、いつもと同じように笑顔を作れるキミが、
すごいって、思ったんだ。