二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リボ×D灰†*白猫*†博士編☆白猫8匹 ( No.32 )
- 日時: 2010/01/08 15:13
- 名前: ちぃ ◆tr.lpjurGU (ID: kpG4msIT)
- 参照: 私が存在するから戦争が存在するんじゃない-戦争が存在するから私が存在する--
最終白猫 [貴方とサヨナラそして始まる]
イメソン
http://www.youtube.com/watch?v=TF1gPA9-8wQ
ツ「ッ!!何で雪が!?」
土煙の中から出てきた影は博士を庇う雪だった。
博「・・・ゆき・・?」
雪「貴方はッ・・間違っているッ・・」
アリス「・・雪どうしたの・・?」
重い空気が漂う。それはモニターを見ている人物たちにも漂う。
骸「どうしたんでしょうかね。」
魁「気が付いたのですよねぇ・・雪?」
リボ「何にだ。」
魁「クスッ・・哀れですよねぇ・・自分の大切な人を殺してしまうなんて・・」
神「大切な人だと・・?」
魁「ええ、それは僕にとっても・・ねぇ・・」
月「じゃ、じゃあ!!雪はッ・・」
***
博「なんで・・ゆき・・君は・・僕を憎んでッ・・」
雪「違うっ・・・貴方は・・私を助けてくれたッ・・私は覚えているッ・・貴方が・・私たちの幼いころ・・本物の博士の執事をしていたこと・・私たちを本当の子供のように・・人間のように接してくれたことをッ・・」
ツ「ッ!!だがこいつはお前らを殺しにッ!!」
雪「違うっ・・貴方は・・私に・・壊してほしかった・・・そう願ってた・・」
博「ふふっ・・大きくなったね・・と言っても200年前からか・・人間なら死んでるね・・」
雪「貴方はミシェルの力を取り入れたために・・それは自殺行為だと言うのに・・」
ツ「え・・」
雪「他のアリスを取り込むのはいけないこと・・そして毒になり体を蝕む・・・」
博「・・うん・・」
雪「そこまでして会いにきた貴方は・・何を伝えにきた・・?」
***
魁「やっぱりアリスの中でも最高傑作と言われるだけありますねぇ・・」
骸「なぜです?」
魁「アリスは通常破壊兵器。感情などいらないんですよ。でも僕達最高傑作は違う、より人間らしい人間に近いアリスなんですよ。」
葵「だから博士は最高傑作をもう一度手にしたい。」
月「あおい・・?」
魁「クスッ・・やっぱり僕は博士にも興味ありますが君にも興味がありますねぇ・・ねぇ・・君は一体誰なんです?」
月「何言ってるの・・?葵は葵でしょ・・?」
魁「お嬢さんはずいぶん葵君を過信しすぎですよ?だって今葵君について何が分かってます?」
紅「っ・・」
魁「紅とは血縁者では無い。どんな存在なのか正体も分からない、名前も違うかも知れない、何故紅を所有していたのは何故か」
葵「あははッ!!」
紅「葵・・」
葵「そんなに知りたきゃ自分で調べればいいでしょ帽子屋さん?」
魁「もうやっていますよ。でもなぜか黒雷 葵に関するデータがないんですよ。ほんと不思議ですよねぇ・・」
葵「それはあなたの目が節穴なんでしょう?」
魁「・・いつか見つけてあげますよ・・本当の君をね・・」
***
博「はあ・・いいですか・・聞いてください・・博士は・・またあなたたちを壊そうとしている・・あの200年前の悲劇の様に・・僕はもう・・見たくない・・あんな悲劇は・・だから伝えにッ・・・」
雪「あのひ・・?」
ツ「200年前・・か・・・」
博「あの日の悲劇は思い出すべきではない・・まだ・・・」
そういうと博士は雪の額に指を立てた
雪「ッ!」
博「いつか・・思い出すその日まで・・・君はまだその記憶を思い出すには早いよ・・いつか・・・そんな悲しい記憶じゃなくて・・楽しい記憶が蘇ったら(よみがえったら)・・その時は・・・僕にも話してほしいなぁ・・楽しみにしてるよ・・・」
雪「博士・・?」
博「僕の・・本当の名はね「シキ」だよ・・」
雪「シキ・・・?」
シ「君には本当の名前で呼んでもらいたくなったよ・・・ッ・・」
ツ「おいッ!?」
博士はミシェルの毒が廻ったようで肌が青紫色に浸食されていった。
きっとミシェルやほかの2人を見殺しのような真似したのはもう苦しませないための精一杯の結果だったのだろう。
雪「何故・・あなたが・・・死んでも構わないというのはおかしい・・」
シ「そんなこと・・思ってないよ・・・ただ・・ただ・・・君たちに一目・・逢いたかった・・まだ・・・生きているうちにね・・・じゃあ・・僕は逝くよ・・約束・・楽しい記憶が戻ったら・・・その話をしてね・・また・・巡り逢う・・その日まで・・・」
そう言って弱弱しく小指を差し出すシキ
雪「・・そうッ・・」
そういって雪は博士の小指に自分の指を絡ませた。
やはり無表情だが・・瞳がうるんで見えたのは気のせいだったのだろうか
シ「ふふっ・・一つ・・思い出した・・・200年前の・・何時か・・・魁や紅・・博士と・・・雪の誕生日のお祝い・・した・・楽しかったなぁ・・・」
それだけ言うと静か瞳を伏せ手は地に落ちた。
ツ「ッ・・なんで・・」
アリス「雪・・」
ア「・・こんなのが・・運命なんですかッ・・!?」
***
モニターからはそれが音声付でずっと見えていた。
魁「・・とうとう逝きましたか・・・シキ・・僕は覚えてますがねぇ・・あの日の悲劇も・・・あの楽しかったお祝いもねぇ・・・嗚呼、誰も覚えてないなんて・・悲しいですねぇ・・」
月「魁は・・記憶があるの・・?」
魁「ええ、でも・・だからこそ耐えられるものがある・・記憶が始まった時・・牢獄にいた雪がもし、記憶があったなら・・さびしいなんて感情覚えずに済んだのにと思いますよ・・・記憶があったなら・・大切な人を殺めずに済んだかもしれない・・記憶があったら・・・何か違う出会い方ができたのかもしれない・・君たちとも・・・記憶があったなら・・こんなにも苦しまずにすんだかも知れない・・そう思うんですよ僕は・・」
そう言って笑った魁はいつもの不気味で妖しい笑顔ではなく、どこか苦しげな笑顔・・無理した笑顔だった・・。
***
雪「シキッ・・・私は思い出せない・・誇れる記憶も・・楽しい記憶も・・懐かしいと思う記憶も・・・悲しいと思える記憶さえもッ・・でも・・・もし思い出したなら・・その時は貴方に話そうと思うッ・・・」
ちょうど夜が明け日が差した。
モニターの前にいた人は皆こちらに来ていた。
アリスもアレンもツナも武器をしまい博士と雪を温かい表情で見つめていた。
リボ「夜が明けたか・・帰るぞ!」
ツ「うんッ!!」
獄「十代目!!お見送りしますッ!!!」
神「ちっ・・」
葵「ああ・・紅茶が飲みたいですねー・・疲れました・・;」
月「なんか葵じゃなかったわよ;」
葵「何言ってんですか;僕はいつも僕でしょう・・;」
月「まあそうなんだけど^^;」
ラ「あー!腹減ったさ!!」
リ「そうね^^もう朝ごはんになちゃったわね(汗」
骸「僕は黒曜に戻りますよ?」
雲「何言ってるの?君はここでかみ殺すッ!!」
雪はまだ博士を抱いていた。
博士はもう砂のようになって跡形もなく消え、洋服だけが残っていた。
うつむいてる雪には
ツ「ほら!雪も帰ろうッ!!」
優しい手が差し伸べられた。
雪「え・・」
あの牢獄とは違う。
温かい手が差し伸ばせられるのに驚いたが
雪「・・そうッ・・」
そう言ってその手を取った。
正反対に紅と魁は端で
紅「記憶・・悲しい記憶か・・?」
魁「・・とてもねぇ・・絶望しますよ・・」
紅「そうか、、でもきっと楽しい記憶もたくさんあるよなッ・・」
魁「・・えぇ・・きっとねぇ・・」
そう言っていた。
朝日は彼らの姿を映し出していた
確かに彼らは
前に進んでいた________
悲しい記憶
楽しい記憶
いろいろある
けれど
その記憶から目を離したら
その時の自分は無かった事になってしまう
少女は気がついた
嘆くよりも
抗おう(あらがおう)
きっとそうすれば
自分の居場所ができる
温かい居場所が
これは一匹の白猫と白猫の大切な人たちの物語ということを忘れないで欲しい_______
これは私の心からの願いだから
白猫FIN