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Re: BLEACH 刹那の時間【月】 コメ求むです!!!   ( No.2 )
日時: 2010/02/10 09:08
名前: 秋空 (ID: s6U4FeBy)

BLEACH 刹那の時間【月】 第十ニ話「地獄のラプソディー Part2」
(夏樹レオン視点)

私達霊術院第2775期生が入学して5ヵ月が過ぎた。
術院の様子にも随分と慣れてきて皆,自分の意見を言い合うようになっていた。
そんな中私は相変らず流魂街下級区の出身と言う事で蔑まれて来た。
何故だろう……私以外にも沢山の者達が70番以下の下級区から来ているのに私だけ…
勿論,私だけではないのだ。他の皆も色々と偏見だけで語る者達の嫌味を受けている。
それでも私は………私は自分1人が可愛いのか自らの姿しか見えない。
いや,見る余裕がない。防衛本能がそうさせる。
本当は皆自分1人……友達だって唯の防衛線………そうだ…きっとそうだ。
そう思っていた私はあいつの掛け値なしの優しさを受け嗚咽に歪むのだ。
今日…この日………



                            ————青天の霹靂に.........


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教師「明後日,現世にて初の実施訓練を行う!
最初の訓練だ。大した物ではない!今までの授業を受けていれば楽勝だろう!!
諸君等の健闘を祈る!」

院生A「マジィ?俺なら楽勝だな♪」
院生B「うわぁ……どんな訓練だろう?痛いのかなぁ…嫌だなぁ」

院生C「最初の実践で虚の模型と戦うなんてハードそうだよなぁ…」
院生A「模型は模型だろ?本物に比べれば弱ぇっての!そもそも模型でびびってたら話になんねぇよ!」
院生C「でもさぁ…僕等まだまだ死神の卵だよ?」

ザワザワ

その日の最後の時間先生はそう言った。
明後日...明日は定休日でその次の日の授業と言う事になる………
術院自体は開いていてサークル活動の様な物や勉強をするなら入ることが出来るが……
多くの生徒は期待と不安をそのまま表していた。
そんな中私は勤めて喋らず口を結んでいた。
雪菜や佐伯達以外と話す事はない。そんな人間らしい反応も彼女等の前でしかみせない。
その行為が如何に周りに謂れのない私の恐怖感を広めさせているのか…
私は理解していなかった。


......次の日,
前の日の間に私は修行を理由に学校の道場を借りた。
そして,朝早くに私が先ず教室に入ると憂鬱そうな顔をした友人が居た。
実は私夏樹レオンは忘れ物を取りに来たのだった。
そんな私の存在を友人の佐伯マリアは気付かず俯いたままブツブツと机に何かを唱えていた。


トントン…佐伯「夏樹さん?」
夏樹「どうしたの…?」
佐伯「何でも有りませんわ。気になさらないで?」

夏樹「嘘吐き!それが何でもない奴のする顔!?」



私は佐伯を問い詰めた。
何時もは自分の事を誰に聞かれても適当にはぐらかすくせに仲間に強く当たる。
仲間だと許しているからなのか……それはそれで醜い事だと思う。
唯,気分は何故だか良い。
こうやって正義の見方面してるのが気分が良いのか……
最悪だと心の中で毒づきながら佐伯の言葉を待つ。

彼女は多くを答えた。
私は彼女の言葉を聞くたびに絶句した。


                        ___「父の命が何時尽きるか分らない」



夏樹「嘘でしょ………」
佐伯「本当ですわ…だから私はせめてあの人に親孝行を…」


私は彼女にあてる言葉が思い浮ばなかった。
彼女の問題だ……彼女の意思で決める事だ。
そうじゃなきゃか佐伯は一生後悔するって…思った。


夏樹「そう……綺麗な顔が涙で歪んでちゃ友達として嫌だな…せめて…」
佐伯「えぇ・・・」


私が途中まで言葉を発した後彼女は首肯した。
おそらくは私の言おうとした事を把握したのだろう。
私は1人悲しみにくれる佐伯を残し教室を去った。


その日の夜___
(佐伯マリア視点)


佐伯「___父上?」
竜二郎「何だ?」


私は父の元へと意を決して向かった。
父への親孝行も大事だが術院に入学して始めて出来た仲間達との関係も大事だと思った。
余命幾ばくもない父とこれから幾らでも付き合えるだろう雪菜達…
計りにかければ無論父の事を優先したいのだが……
父は私の望んでいた言葉と違う言葉を口にした。


竜二郎「そんな事で悩んでたのか?
確かに刻一刻と症状はきつくなってるが明日位は持ち応えて見せるさ。
お前はお前の事を優先しろ……少なくとも術院が開いている昼の間はな」

佐伯「父上……有難うございます」


私は父に会釈をして父の部屋を去った。




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(夏樹レオン視点)

演習当日が来た。
今日の演習は男女に別れ3人1組で技術開発局製のダミー虚を討伐する事だ。
ノルマは授業中に二匹討伐する事……不安に満ちた者や実力を試したい者,
面倒がるものや痛い経験はしたくないと言う者…処々様々な反応だ。
私の住んでいた場所の者達は反応のし方がパターン化していたので詰まらなかった。
だから,こうやって人間観察を出来る場は楽しく感じだ。


夏樹「佐伯…」
佐伯「何ですの?」
夏樹「しっかし,あたしらってよくよく縁があるのかしらね?
くじ引きで一緒になるなんて…」

私の軽い冗談に佐伯はくすりと笑った。
どうやら少し落ち着いたみたいだ。
私等が本気でやればダミー虚位大した相手じゃないだろう……
佐伯も落ち着いてる。
大丈夫だと喜んだ………


雨宮「ははっ,霧崎達もトリオだよ?」
夏樹「凄っ!くじ操作でもされてんのかな!!」


中の良いもの同士軽口を叩きあう。
この時間が楽しい。


                <迫り来る影の存在など知るはずも無く>


ズズズズ……ザエルアポロ「居る居る……居るね。未来の戦士達。
さてと…彼等の中にどれだけこいつに感染する奴がいるかな?」


ニタァ…


その存在が空で舌なめずりで笑みを浮べている事を知るはずも無い。


3人でふざけている頃,突然空間が歪みダミー虚が現れた。
どれだけ冷静な対処が取れるかを試すためだろう。
私達はそれを理解し動じずダミー虚に対処した。


雨宮「縛道の31吊星!」


ビヨォン…夏樹「一刀両断…荒べ裂迅牙」


ズバァ…佐伯「速いですわね…もう一匹しとめてしまいました・・・」

ズズズ…夏樹「佐伯!後ろ!!」


私は斬魄刀を解放する事が出来る。
術院に入院する前からだ……稀有な存在だろう。
私の斬魄刀裂迅牙は巨大な二対の斧で衝撃波を発することの出来る「風烈系」だ。
一撃の下にダミー虚を両断した。
その瞬間狙い澄ましたかのように佐伯の後ろから新たなダミー虚が現れた。
それを佐伯は逸早く気づき「大丈夫ですわ」と笑ってみせ一組最速の瞬歩でかわした。


ダン…ダミー虚「ギギギ…」
佐伯「ダミーの癖に悔しがるのですね?」

笑いながら佐伯が言った時,雪菜の鬼道の詠唱が終った。

雨宮「破道の77破断槍!!」


ズバァ…


雪菜の上位破道の一撃の下にダミー虚は一刀両断された。
授業開始三十分も経ってない。
後三十分はある。
正直暇だ。

そう思った時,異変が起きた。



ザエルアポロ「ショータイムだ。破滅への序章を始めよう」


        
                                    ___バリン!


空間を引き裂き凄まじい霊圧の虚が現れた。
技術開発局で造られた生徒の実力に併せたダミーなんてじゃない!
本物の虚………


雨宮「本物!?一体なんで……」
夏樹「警備は厳重の筈…」


ドッドッドッドッド…佐伯「夏樹さん…雨宮!他の場所からも虚の霊圧が!!」
夏樹「何ですって!?まさか,警備の人達を集団で襲って殺してなんて……」


嫌な想像が巡った。
でも,私達を結界で護っているのは正規の死神達数十人だ。
幾らなんでもこの程度の虚達にやられるはずは無い。
だったら何だ…
私は苦渋に満ちた面持ちで考えた。


夏樹「まさか…結界をすり抜ける新種の虚!?」
佐伯「ありえなくも無いですわね…」

雨宮「そんな事どうだって良いわよ…先ず此処を生き残れるかだって!」

夏樹・佐伯「それもそうね…」


雨宮の言葉に私達は目の前に敵が居る事を思い出す。
しかし,妙だ。
あたし達が立ち話をしている間に幾らでも襲えたはずなのに…
相手はまるで私達がむかってくるのを待っているかのように呆然と立っていた。
恐らくすぐに結界を抜けられた事に気付き死神の方達が助けに来てくれるだろう。
それまで持てば良いのだ。
余り深く考えるなと心に言い聞かせた。


佐伯「妙ですわね…唯,此方の様子を伺うだけ…カウンターでも狙っているのでしょうか?」
夏樹「そうだったら好都合ね…警備の死神の人たちが来るまでにらめっこしているだけで良い」

佐伯「そうね………」
雨宮「!!……来る!」


相手が待ちの構えならじっと待って遣り過そうそう考えた矢先虚は動き出した。
どうやらそう旨く行かないらしい。
本当の実践が始まった………


虚「ぎょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


けたたましい声を響かせ虚は口の中から幾百もの触手を伸ばしながら猛然と走ってきた。



ドドドドドドド…ザエルアポロ「是で最後の警備の死神か?」
死神「緊急事態発生!場所は現世の○○地区!敵は絶大!!増援を求める!!」


ズバァ…ザエルアポロ「ふふふ,増援を呼ばれてしまったか。
さて,増援が来るまで何人生き残れるかな?」


ニタァ……



                      ___「増援了解シマシタ…」


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(砕蜂視点)


護廷十三隊二番隊より.........



__緊急事態発生緊急事態発生!!
現世で院生の演習中に大量の虚が出現!!
院生達のみでは対処不可能———


直ちに仕事に余裕のある隊士を選出し現世へと向かわれたし!!!


砕蜂「……大前田…行ってくる。」
大前田「点数稼ぎっすか?」

砕蜂「その通りだ」


それは日が一番高くなったころだった。
私は珍しく際立った仕事も無く茶をすすりながら気色悪い大前田の面を眺めていた。
私はしめた物だと思ったよ…奴の顔を見ずにすむ。
隊長としての知名度や好感度も上がる…更に一日も休んでいては腕も鈍るからな……
私は何一つ悪い事は無いと軽快な足取りで一番隊の用意した穿開門へと向かった。

                                          END

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