二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.104 )
日時: 2010/04/02 14:30
名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)

07. elettricita


〜並中〜

ツナ達のクラスは、朝から騒然としていた。
なんでも、転校生が来るらしい。

教室の扉ががらりと開かれ、先生が入ってくる。

「ハイ静かにー。……よし、皆もう知っていると思うが、このクラスに転校生が来ることになった。
 おーい、入ってきていいぞ」

先生が呼びかけると、教室の入り口から一人の女子が現れた。
その女子は、淡いピンク色をした紙を二つに結び、こげ茶色の目をしていた。

「彼女はエレットリチタさんだ。ご両親の都合で少しの期間だけ並中に通うことになった。それじゃ、そうぞ」
「エレットリチタ。イタリアから来たわ。呼ぶ時はエレットでいいから。よろしく」

先生にうながされ、エレットは自己紹介をする。
————何故か不機嫌そうに。
教室が沈黙に包まれる。

「あ……あー、じゃあ、エレットさんの席はそこだ」

エレットの態度に戸惑いながらも、先生は席を告げる。
その席は、ツナの隣だった。

(ええっ俺の隣ぃ!?)

冷や汗を流すツナは気にせずに、エレットはつかつかとその席まで歩き、カタンと席に着いた。

『なんか……気難しそうだね』
『あれじゃん?まだ日本になれてないからあんな態度とっちゃうとか』
『性格きつそー』
『ご愁傷さまだな沢田』

教室の所々でささやかれる声には気にも留めないように、エレットは頬杖をついて窓の外を眺めていた。
ツナは恐る恐る、声をかけてみる。

「あ、あの……よろしく、ね……?」

エレットは横目でツナをにらみ、突き飛ばすようにこう言った。

「気安く話しかけてこないでよ、格下」
(かっ格下————!?)

その一言でツナは打ちのめされる。
エレットはフンとさらにそっぽを向いてしまった。
その時だった。

(! あれ……)

きらりとエレットの首元が光った。
何かと思いよく見てみると、それはネーヴェがつけている首輪と同じ形状をしたものだった。
どうやらさっきは、制服の襟に隠れて見えなかったらしい。

(どうしよう……訊くべきかな……)

しかし、明らかにエレットは『もう話しかけてくるな』オーラをまとっていた。
その雰囲気におびえ、ツナは一人どうする事も出来ずにあたふたしていた。
そうこうしているうちに、時間は刻々と過ぎて行ってしまった。

07. end