二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.124 )
- 日時: 2010/04/05 15:16
- 名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
10. chesta
「え、っとここは……?」
「そんなことも分からないのか、ダメツナめ」
「ひいいっ」
その日の夜。
ツナはリボーンに教えられ(しごかれ)ながら、宿題を解いていた。
その時、部屋にノックオンが響いた。
「はーい、誰?」
「……私」
「ネーヴェか」
「入ってきていいよ」
カチャリと静かにドアが開かれ、ネーヴェが顔を出す。
「どうしたの?ネーヴェ」
「……訊きたいことがある」
用意された座布団の上に座り、ツナを見る。
「……もしもの話。私が平気だとしたら、あなたはどうするか訊きたい」
「え! 兵器って……」
ツナが戸惑ったような顔をする。リボーンが口をはさむ。
「お前、何か思い出したのか?」
「……そうではないが、人が言っていた、だけ」
「そうか……。おいツナ」
「え?」
「『え?』じゃねーだろ。お前が聞かれてんだ。早く答えてやれ」
リボーンにド突かれ、、ネーヴェに青の双眸で見つめられ、ツナは言葉に詰まりながらも答える。
「えっと……俺、兵器っていうのは、やっぱり怖くていやだけど……」
「…………」
「もし、もしもだよ。兵器だったってなっても、ネーヴェはネーヴェだから」
そういってニコッと笑う。
ネーヴェは小さく「……そう」と呟いただけだった。
「まあでも、こうやってネーヴェが自分から動くようになったのも、きっと大きな進歩だろ。よくやったな」
リボーンはわしわしとネーヴェの頭をなでる。
「ほら、ツナもやってみろ」
「えぇ!?や、俺はいいよ……」
後ずさりつつ、ネーヴェの方を見れば、ネーヴェはツナをじいっと見つめていた。
「え……もしかしてネーヴェ、してほしいの……?」
ネーヴェは一拍置いてこくんとうなずいた。
(何だろう……ネーヴェってときどき子供っぽいんだよなあ)
そんな事を思いながら恐る恐る手を伸ばして頭をなでる。
ネーヴェは気持ちよさそうに目を細めた。
「……それじゃあ、おやすみ」
「あ、うん。おやすみ」
「んじゃな」
そう言い残してネーヴェは部屋を出て行った。見送った後、ツナはリボーンに話しかける。
「……ねえリボーン」
「何だ」
「ネーヴェが兵器って……どういうことだろう」
「さぁな。でも冗談とは思えねえ」
「だよねぇ。……記憶喪失の事や、あの首輪の事もあるし」
「きっと何かあるんだろうな」
「……うん」
うなずいて、ふと窓の外を見る。
月は雲に覆われて、見えなかった。
10. end