二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.134 )
日時: 2010/04/06 14:41
名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

11. annuncio


次の日。

「よし!絶対あの女から訊き出してやりましょう!」
「ええ!?本当にするの!?」

はい!と決意に満ちた目でうなずく獄寺にツナは断ることができず、はぁと溜息をついた。

「よっ!二人とも何話してんだ?」

後ろを振り返れば、片手をあげた山本が立っていた。

「ちょっとエレットさんに訊きたいことがあってさ……」

自重気味に笑いながらツナが言う。

「エレットさん?それなら今日は休みっぽいぜ?」

山本がエレットの席を指差す。
もうすぐ授業が始まる時間だというのに、そこはもぬけの殻だった。
獄寺が落胆したような声を上げる。

「なっ!さてはあいつ、逃げたのか!?」
「え゛……それはないと思う……」
「? 何かよく分かんねえけど、そのうち来るだろ!」

しかし、山本がそう明るく言ったのとは裏腹に、エレットは次の日も、そのまた次の日も学校を休んだ。




「アリサ様、エレットです」
「あらエレット、早かったわね」

エレットはアリサ達のいる場所へと戻っていた。
アリサは、ふわりと微笑を浮かべながら問う。

「どうなの?連れ戻してきたの?」
「いえ、それが……計算外なことが」

そうエレットが言った途端、アリサの顔から笑顔が消える。
そして、少し怒気を含んだ声で言う。

「計算外ってどういうことよ?」
「ッ!……じ、実は……」

恐怖に肩をすぼめながらエレットは必死に事情を説明した。

「記憶喪失、ねえ……結局連れ戻せてないのね?」
「も、申しわけございません……」

目を伏せて謝罪するエレットに、アリサは手招きをした。

「エレット、ちょっとこっちにいらっしゃい」

その目は全く笑っていなかった。

11. end