二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.158 )
日時: 2010/04/12 18:19
名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

14. evasione


その日の休憩時間。

ツナの周りは険悪な雰囲気になっていた。

(あーもういやだよこの空気ー!!)

獄寺が怖い顔でエレットを睨んでいる。
エレットもひるむことなく、警戒するようなまなざしで獄寺を見ていた。

このような状態になった原因は、五分前のことだった。

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「やっと来たな」

エレットの目の前には獄寺が立っていた。

「? 何よあんた」

いきなり目の前に現れた人物に、エレットは怪訝そうな目を向ける。
獄寺は腕を組みながら自分の目的を告げた。

「お前に訊きたいことがあんだよ」
「人に質問するんならそれ相応の態度したらどうなのよ? ま、どっちみち聞く気なんてないけど」

エレットは鼻で笑う。
獄寺の額に青筋が立った。

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そして今に至るわけである。

「とりあえず私は訊く気なんてないから」

先に口を開いたのはエレットだった。
その言い方が頭にきたのか、獄寺は荒い口ぶりで言う。

「てめっ……んな理由で通じると思ってんのか!? いいから話をききやがれ!!」
「うっさいわね!何で私があんたなんかに命令されなきゃなんないのよ!?」
「なんだと!?」

いきり立つ二人を山本が宥める。

「まーまー、落ち付けって獄寺。エレットさんも、少しだから話聞いてくれねえか?」
「フン。いやって言ったらいやなの」

そう言い捨ててエレットは席を立つ。
それを見たツナは焦りながら言う。

「じゃ、じゃあ一つだけ! ネーヴェって名前に聞きおぼえない?」
「っ!」

エレットの動きが止まった。そして、勢いよく三人の方を振り向く。

「あんたたち、何でその名前を知ってるの……?」

エレットの瞳は驚愕に揺れていた。

「やっぱり何か知ってんのか」
「ツナの予想当たってたなっ」
「ち、ちょっとそのことについて詳しく————って、えぇ!?」

ツナが訊こうとすると、エレットは踵を返して走り去って行ってしまった。

「行っちゃった……」

ツナはぼうぜんと立ち尽くす。
その横で獄寺が悔しそうに言った。

「くそっ! また逃げやがった……」
「でも、どうせ校内にいるんだろ? なら追ってみようぜ!」

山本が明るく提案する。
二人は二つ返事で承諾した。

「それじゃあ、急いで追おう」

三人は、エレットの走り去って行った方向へと駆け出した。

14. end