二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 初雪の思い出【REBORN!】(コメ募集中!) ( No.17 )
- 日時: 2010/03/29 15:11
- 名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)
03. neve
少女「分からない」
ツナ「…は?」
予想外の返答に、ツナは自分でも恥ずかしくなるくらいの間抜けな声を出してしまった。
獄寺と山本の二人も唖然としたように少女を見ている。
少女「何も…覚えていない。自分が何者なのか、今までに何があったのか…全て」
獄寺「マジかよ…」
信じられない、とでもいう風に獄寺が呟く。
山本「本当に何も覚えてないのか?」
山本が問いただせば、少女は小さくコクンと首を動かした。その反応にツナが困ったように頭を抱える。
ツナ「ていうか、名前分かんないとどう呼べばいいんだよ…」
リボーン「おい、お前」
少女「?」
リボーン「ちょっとその首輪よく見せてみろ」
少女「分かった」
ツナ「え゛…何してんだよリボーンっ」
ツナが半ば焦って言うのを無視し、リボーンは少女の首輪を調べる。
リボーン「お、なんか書いてあるぞ」
山本「本当か?なんて書いてあるんだ、小僧?」
興味津津、という風に山本がリボーンのところへ行く。そのあとに続いてツナと獄寺も覗き込む。
リボーン「『neve』…って書いてあるぞ」
ツナ「ネーヴェ?」
獄寺「たしか、イタリア語で『雪』って意味です」
リボーン「これが、お前の名前か?」
じゃらりと鎖を手にとってリボーンが聞く。
(いや、首輪に書いてあるのが名前かって…ペットじゃないんだから…)
ツナは心の中でこっそりと突っ込む。しかし、その突込みとは裏腹に、少女の答えは
少女「……おそらく」
と、リボーンに肯定する答えだった。
山本「そっかー、ネーヴェって言うのか!なんかすっげー名前なのな。んじゃま、今度こそよろしくな!」
(や、山本節炸裂だー!!)
今度はツナは心の中で叫ぶ。獄寺はと言えば、「ケッ野球バカが」と小さくつぶやいていた。
リボーンは相変わらず片方の口角を上げて笑っている。
当の少女————もといネーヴェはそんな四人を感情のない瞳で見つめ、やがて抑揚のない平坦な声で告げた。
「———よろしく」
03. end