二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.208 )
- 日時: 2010/04/26 18:10
- 名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)
17. fulmine
突然の事に雲雀は後ろに飛びのく。それもそのはずだった。
雷は雲雀の目の前で発生したのだから。
「今のは、何だ?」
梨瀬琉も驚いたように目を丸くしていた。
雲雀がエレットに問う。
「君、一体何をしたの?」
「出来れば見なかったことにして欲しいんだけどね……」
「無理な話だよ」
エレットは悔しそうに言うが、雲雀はそれを一蹴する。
「まあ別に追究する気もないけどね。とにかく、君は不思議な力を持ってることになるのかい?」
「まあ……ね」
「ふうん……ならいいや」
そう呟いて雲雀は心から楽しそうな笑みを浮かべ、トンファーを前に出す。
「そういうことならもっと楽しめそうだからね」
そんな雲雀の態度にエレットはうろたえる。
「まっまだ来るの!?ちょっとあんたいい加減に……」
エレットが訴えるが雲雀はお構いなしに走り出した。しかしその時、
「待て、雲雀」
マフィアスーツを着た赤ん坊が目の前に立っていた。
それを見た梨瀬琉が叫ぶ。
「リボーン!?何故此処に!」
(リボーンですって……?あの、最強の赤ん坊で殺し屋の!?)
雲雀は足を止め、自分の前にいる人物を見る。
「邪魔する気なの?赤ん坊」
「おれはあいつに訊きたいことがあるんだ。一旦ここは引いてくれねえか?」
(訊きたいこと……?)
リボーンが交渉するが雲雀は不機嫌そうな顔をする。
「それはきけないね」
「用が済んだら何をしてもいい。何ならおれが相手してやってもいいぞ」
「なっ……そんな勝手に……」
エレットは慌ててリボーンに伝えようとしたため、雲雀の目の色が変わったのに気付かなかった。
「ワオ。それは本当かい?赤ん坊」
「あぁ、マジだ」
「ちょ、待っ……」
どんどん進んでいく話に、エレットはついていけない。
「分かった。じゃあ僕は戻るよ。……ああそうだ、そこの君」
「! な、何よ」
いきなり雲雀に指名され、エレットは背筋を伸ばす。
「君も必ず後で…………咬み殺すから」
それだけ言い残して雲雀は屋上を後にした。
「何なのよ、あいつ……」
茫然とエレットが雲雀を見送っていると、梨瀬琉が駆け寄ってきた。
「大丈夫か?エレット」
「え、ええ。……ってあんたの方が怪我してるじゃない!急いで治療しないと」
「何だこれしき」
グルンと腕を回すがその表情は辛そうだった。
「梨瀬琉、みせてみろ」
「! リボーン……」
マフィアスーツを着た赤ん坊が話しかける。
先程は気にならなかったが、この二人がなぜお互いの名前を知っているのかエレットは疑問に思った。
「あんたたち、知り合いなの?」
警戒するように問う。リボーンは梨瀬琉の腕に包帯を巻きながら答えた。
「こいつはおれの教え子だ。にしてもお前は、俺が殺し屋だってこと知ってるみたいだな」
「っ! 何でそれを……」
「おれは読心術が使える」
「何よその理屈……」
エレットが眉を寄せるが、リボーンは気にした様子もなく続ける。
「話を戻すぞ。俺はお前に訊きたいことがあってここに来た」
「何なの。聞きたいことって」
エレットは無意識に身構える。一拍置いてからリボーンは口を開いた。
「お前とネーヴェの関係、その正体についてだ」
17. end