二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.48 )
日時: 2010/04/01 13:35
名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)

06. amica

放課後。
ツナ、獄寺、山本、京子の四人はネーヴェに会うため、全員でツナの家へと向かっていた。

「あっツナさんです!ツーナさーん!」
「ハ、ハル!?」

大きく手を振りながら三浦ハルが駆け寄ってきた。
そして何かに気付き、首をかしげる。

「はひ?今日は皆さん帰る方向が一緒なんですね?」
「うん、これからみんなでツナ君の家に遊びに行くの」
「良かったらハルも来る?」
「はい!ぜひ行きたいです!でも、何かあるんですか?」

不思議そうにするハルにも、ツナ達はネーヴェに付いて話した。

「はひー、そのネーヴェちゃんとお友達になろうってイベントなんですね!」

ハルはポニーテールをぴょこぴょこさせて嬉しそうに京子と話している。ツナはそんな二人を見ながらある不安に駆られていた。

(二人が乗ってくれたのはいいけど……大丈夫なのかな?)

京子やハルは明るく、誰とでもすぐ友達になれるような性格だ。
しかしネーヴェは無表情で無感動、その上無口なため、とてもコミュニケーションがたやすく取れるとは思い難い。
そのようなネーヴェが、他人と触れ合えるのか——ツナはそれが気がかりだったのだ。


そんなこんなで、五人はツナの家に着いた。

「ただいまー」
『お邪魔しまーす』
「ツっ君お帰り。あら、今日は大勢なのねー」

ひょこっと出てきた奈々がまあ、と目を丸くする。
そのあとに続くように、ランボとイーピンを抱えたネーヴェが顔を出した。

「あなたがネーヴェちゃん?」
「わー!とってもキュートです!」

女子二人が歓声を上げる。ネーヴェは今の状況が飲み込めていないのか、無表情のまま固まっていた。
奈々がツナ達を家に上げながらこう言った。

「ネーヴェちゃんねぇ、今日一日ランボ君やイーピンちゃん達と遊んでくれたのよ。私とっても助かっちゃったわー」
「え!そうなの?」

驚きを隠せないまま、ネーヴェ達の方を見れば、打ち解けたように会話していた。
正しく言えば、話しかけてくる京子とハルにネーヴェはただひたすらうなずいているだけだったが。

「なんか、心配するまでもなかったな」

いつものさわやかな笑みを広げて山本が言う。
目の前にある光景を見て、ツナは不安がっていた自分を戒める。

「——うん」

そしてにっこりと頷いた。

06. end