二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【怪物くん】 Stand up !! ( No.10 )
- 日時: 2010/05/16 22:32
- 名前: じら ◆gMiRbT/E9. (ID: 6p/pMq8e)
怪物は俺をぎろりと睨みつけた。
「言っとくが、石はわたさねぇからな」
怪物の背後に立つ三人のお供は、射るような視線を俺に投げかけている。
ヒロシという名のガキはそいつらに体をぴったりと寄せ、こちらに嫌悪の眼差しを向けていた。
「俺の目的は石ではない、と言ったらどうする?」
怪物を見ると、訝しげな表情を浮かべていた。
疑問に思うのも無理はないだろう。
今まで散々魔王石を狙ってきたからな。
俺は鎌を右手に構え、ゆっくりと怪物たちの周りを歩き始めた。
怪物たちは奇妙な物を見るような目つきで、俺の動きを追っている。
「確かに、魔王石への興味は尽きん。悪魔界だけでなく、人間界、怪物界のバランスを保つとなれば、それは相当な魔力を持っているはずだ……」
「ああ。というかお前、それが欲しくてたまらなかったんじゃねぇのか?」
「使えんのだ。今の俺には。莫大な魔力がそこに眠っているというのに!」
ちらりとガキを見ると、オオカミ男の後ろに身を引いた。
「使えない?」
怪物が問う。
「なぜだと思う?」
お前がいなければ、俺は悪魔だったのに。
お前らがいなければ俺は人間界になど————!
「使えない理由は俺が人間になったからだ。 醜い欲望の塊で創られた低能な人間に!」
「はぁ……って、お前今人間なの!?」
「ああそうだとも。そしてこうなったのも、全て貴様らのせいだ!!」
俺は鎌を振り上げて襲いかかった。
怪物は素早く身をかわす。
「は? いやいや意味わかんねぇし!」
勢い余って前につんのめった俺を、誰かが横から弾き飛ばした。草の上に転がる。胸を下にして起き上がろうとすると、背中に強烈な衝撃が加わって地面にしたたかに顔を打ち付けた。
「フランケンののしかかり攻撃は効くザマスからね」
「くそっ、どけ!」
そいつの腰に鎌を突き刺そうとすると、巨大な手に手首をつかまれ、馬鹿力で腕をひねあげられた。
俺は悲鳴を上げた。
激痛が電流のように腕にほとばしった。
「ぎゃあああああ!!」
「今までさんざんオレたちのじゃまをしたお返しだ」
頭上から降ってくる声に顔を上げると、憎い怪物の顔が目の前にあった。
なんという恥辱!
俺は歯をくいしばって耐える。
「貴様……」
「で、他になんか言うことはねーのか?」
「地獄に堕ちろ!!」
「フランケン、もっとやれ」
「痛い痛い痛い!!」