二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】沖神-日常にできた小さな楽しみ- ( No.20 )
日時: 2010/05/10 06:52
名前: 稜架 ◆z5iW57HkOM (ID: 3P/76RIf)


 >>曇り空のその先は・・・(前編)

温泉行きのチケットが当たったということで仕事もないし明日行くことになった。
なんとも唐突な話である
そしてその唐突は時には人の都合というものを無視する、先ほどまで温泉を楽しみにしていた神楽は
お風呂からあがって以降一度も微笑んではいない

(いきなり雨が降ってきたヨ)

こう思ったのは神楽だけである、外は月光に照らされ美しい夜空が広がっている
本当は行きたいはずの温泉なのに何故か心が乗らない。
何かが足りない、何かが必要。
この時に浮かんだ顔がいつも憎たらしいと思っている沖田だった
何故だろうと思えば思うほど胸は苦しくなっていく一方だ

(きっと私は死ぬネ)

この胸の苦しみが分かるまで行けない、いや行きたくないという思いと裏腹に日はどんどん上がってゆく
どうしようと思えば思うほど胸がどんどん痛くなっていく

考えられなくなって挙句の果てに泣く

それが弱い自分に与えられた指名なのだと言わんばかりにひっそりと声を潜め泣いた
意味が分からず泣いた

(もう・・何アルかこの涙は)

きっとまだ恋という感情を知らない神楽だからこそ起きる現象である
涙を堪え、耐え切れなくなり体が動いた。
足で布団を押しのけパジャマのまま、靴も履かずにただ走り抜けた

夜の街を