二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 柏手に弧を描く【薄桜鬼】 ( No.8 )
- 日時: 2010/06/08 18:39
- 名前: 卍鄙城卍 ◆8TM.1EWlaA (ID: 5PvEL/lW)
春之陣
五 愛しいのに・・・何で?
「最近どうしたんですか?」
「・・・は?」
「あの・・・最近、沖田さんを見ないばかりに何か春さん・・・」
「はははは・・・」
と巡察中歩いて春頭と千鶴と井上という土方にしては珍しい選択で巡察させたものだと出る前に平助は笑いながらそう言っていた。
そんな中千鶴が何故沖田の話を出したのだろうか?
事は
沖田が労咳だと千鶴が沖田本人から知らされた日からだ。
「沖田って昔から自分独り抱えるからな・・・千鶴ちゃん知ってたり・・・しないよなぁ・・・」
と路地をチラチラと見、次の路地を見た時、
足は止まった。
それは欲求不満の浪士に多分団子屋とかの看板娘だろう、つるまれてる。
「おい、嬢ちゃんちょっとばかり俺等と付き合ってくれねぇかなぁ?」
と鼻息を荒くし、そう言いつつ追いつめる。
「・・・千鶴ちゃん。それと井上さん、ちょっとまっててくれませんかね。」
「は、はい。。。」
「分かった。」
と一人新選組一番組副組長が路地へ。
「きゃっ・・・」
「何やってるんだ。」
「っその服装・・・新選組か!!」
「だったらなんなのさ。」
「た、助けてください!」
「ちょっと離れて。か弱い女の子が血ぬられるのはこっちとして困るし。」
と看板娘離れた。
「じゃあ行くよ!!」
と斬る。
本気だから多分死ぬだろ。
と3人組中一人を潰した。
「が・・は。。。」
「背後ががら空きだぜ?」
と一人の浪士が剣を振りかざす。
「!!・・・ひっかかったね。」
と利き手の右手で前方の浪士を斬り、背後の浪士の刀をキンッと金属音を立て、
浪士は驚いた。
_約2年前、『双剣士』が新選組に入ったと。そして、その名が・・・
春頭 薙淺_
「どうした?手が止まってるよ。」
と斬る。
「で、君、大丈夫?」
「は、はい!!」
「そっか・・・見苦しいの、見ちゃったね。。。君の働いている店確か・・・【弥生】だっけ?其処に何時も俺と他の連れ来てるんだけど、、、今度食べに行くよ。」
と鞘に刀を閉まって、看板娘へ手を振った。
「・・・お兄ちゃん。。。」
と看板娘は小さく小声で今にも消えかかりそうな声で薙淺を呼んだ。
「にしても、、、あの子似てるな・・・」
「えっ?」
「俺の妹・・・神苑に。」
「そうなんですか。」
「まぁ、もう死んだんだよ。」
と色々愚痴を零しながら戻ってきた。
「沖田。」
「何?」
「何かさ・・・・隠してない?」
「っ!?・・・何で?」
「その・・・何か最近元気ない気がして・・・何もないならいいんだ。」
「・・・鋭いなぁ。千鶴ちゃんに言われた?」
「ううん。。。」
「・・・労咳。この僕がね・・・只の風邪だと思ったのに。」
「・・・」
「泣かないでよ。。。」
「泣いてねぇよ。」
(沖田side)
ほらそんな泣きそうな顔で僕を見つめる。
「泣き虫。」
「は・・・?」
どうせなら。。。
どうせなら、
泣いてよ。。。
「薙淺。。。もし、もしさ、僕が死んでも。。。耐えてよね。」
(薙淺side)
「意味分かんないし・・・」
と笑う。
塚、笑うしかできない。
訳わからない事を言う沖田に
泣くことのできない自分を嘲笑う。
「じゃあ・・・お休み。」
ふれあうだけの口付け。
それをしている間の時間が何時間にも感じた。
翌日の深夜。
伊東さんを殺すことになったらしい。
今まで患者として居た斎藤から色々知らされて何も言えない。
そして、局長の暗殺と言うのも聞いた。
自分は動くことなくどうやら千鶴や丞の代わりに看病する事になった。
「そういえばこうして動くことなく僕と居るのって・・・初めての殴りこみの時だよね。」
「あーそういえばそうだな。」
と昔を懐かしむように明るく沖田の部屋を照らすように満月が見える。
屯所を最初は守るだけだったな。
沖田も最初俺と同じぐらいにバテて。
「ねぇ薙淺。」
「あ?」
「言っちゃ悪いか悪くないか解らないけれど・・・」
「だから何だって。」
「変若水を飲んで・・・羅刹に・・・?」
「っ!?何で・・何故そのことを!」
「寝てる時さ、薄らと白く髪が光ってたし。。。」
「違うよ。。。違う!!」
と瞬時眼が紅くなり、白く髪が染まった。
「どうやら・・・駄目だったかな。」
「いいよ・・・この事、土方さんしか知らないし。。」
「!!今迄どうやって。。。」
「なんとかしてたさ・・・それに俺は
生まれた時から人間じゃない。羅刹として生まれた。」
「そっか。。。でも、どうして血を欲しがらないのかい?」
「それは。。。」
「貴方は血を欲さないからです。」
「!!誰だ!!」
「以前、沖田 総司さんに助けてもらった者ですそのお礼の品を・・・」
と小さな瓶に紅い液体が入っている。
何故こんな・・・“変若水”を持ってるんだ。
「・・・本当に君と千鶴ちゃんは似ているよ・・・君も鬼なのかい?」
「・・・と思うのが正しいでしょう。でも、もし、そのお隣の羅刹様が、、、羅刹として死んでおり、死神だとしたら?」
「死神何ぞ西洋のバケモノだ!!」
と沖田は頭の方に置いていた刀を鞘から出し、薫へ斬りかかった。
が、いきなり消え、廊下に居た。
「流石に力の差が在り過ぎます。また・・・いずれ。」
と影に消えた。。。
「・・・」
「・・・沈黙に耐えられないよ。ねぇ、春、、アイツの言ったこと・・・」
「・・・」
「・・・ねぇ聞いてるの?」
「聞いてる・・・っ。」
「死神は西洋のアレだよ。。春が落ち込まなくたっていいんだよ。」
「・・・沖田ぁ。。。」
と俯いていた顔を沖田の親指で口角を上げられ、
正直の所、沖田の方がもう動揺して堪らない。
もし、彼女が死神だとしたら
僕は、魂を刈られるのだろうか?
羅刹として血を吸い取られるか、
逆に疲れて血を吸わせ、僕自身も羅刹に近付けられるか・・・
その日が来ないことを願って、
否、そんなことはさせない。
自分があの時春に会った時からだ。
「ねぇ、もし、血に欲したら・・・僕の血だけ飲んでよ。」
「・・・駄目だ。沖田まで、、、羅刹になる必要何て無・・・」
それから先は口付けをして黙らせた。
静寂が二人を包む。
切り裂こうともしたら容赦ない斬撃が襲いかかるから。
「じゃあ・・・さ、沖田が俺を避けていた理由って。。。」
「死病にかかった僕を見て欲しくないから。」
「・・・バカ。」
とそうして夜が明けた。。。
春之陣
六. 冬之休日_初雪編_ に続く