二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.19 )
日時: 2010/07/16 20:18
名前: さくら (ID: 50PasCpc)


『じゃあ、行くよ…!』

ボールを高々と上に上げる。
それに素早く反応したのはマークだった。

「はっ!」

という声とともに、彼は素晴らしい跳躍を見せる。

『さすがマークだね…』
「ほぉおー!すげぇな、アイツ!!」


ボールを奪っては取り返し、奪っては取り返しの無限ループ。
さすが世界レベル、といったところであろうか。

すると突然、女性らしいソプラノで
「あぁ——!忘れてたぁ!!」
こんな声がグラウンドに響いていた。

「何だ?あのドレスの女は…」

テレスがそう呟けば、円堂も大きな声を出す。
「いっけねぇ、パーティに呼ばれてたんだ!」
「パーティ?」とフィディオが聞けば、円堂は謝罪の言葉とお礼の言葉を述べ、
ドレスの女の方へと走っていく。

「楽しかったって…アイツ何もしてないだろ」

テレスがそうぼやくと、マークは「変わったヤツだな」と率直な意見を言う。
そんな中でフィディオは嬉しそうに笑った。


『じゃ、私もそろそろ行こうかな』

サクラがそう言ったのが不思議だったのか、ディランは「何処にだい?」と聞いてくる。
サクラは少し困ったように笑って、『円堂君と同じところ♪』とだけ答えた。

「ってことは、サクラもパーティなのか?」
テレスはいつも疑問系だな、と突っ込んだ。
もちろん心の中で、だ。

『アーロンさんから招待されちゃったから行くしかないの』
「アーロンって、あのイギリス代表の監督か」
『うん、なんかエドガー君も喜ぶとか言ってた』


こう言った瞬間、フィディオの中には黒い靄のようなものが生まれた。
エドガーと知り合いなのか…、というくだらない嫉妬であろうものだ。
フィディオは自分が情けなくなる。

『じゃあ私、失礼します』

サクラは近くにあった紙袋を手に取り、『ミュア、』と誰かの名前を呼んだ。

「ミュア…?」
「サクラの飼っているフェネックギツネさ。…ほら、あれだよ」

マークが指差した先には、何かがサクラの肩にいた。

「綺麗、だな…」

太陽のように美しいその毛は、高貴で美しいイメージを見る者に持たせる。


サクラはミュアを肩に乗せたまま、そのまま夕焼けの光の中へと消えていった。