二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.25 )
日時: 2010/07/18 17:25
名前: さくら (ID: 50PasCpc)

「おっと、ナイツオブクイーンがフォーメーションを変えて来ました」


虎丸と豪炎寺がドリブルで持ち込んだが、ナイツオブクイーンの選手は動かない。
二人が通過した時、エドガーは手を下ろした。
すると途端に、ナイツオブクイーンが動き始める。


「風神の、舞ッ!!」

「うぁっ!」

風丸が必殺技で相手を抜くが、更に別の選手がボールを取りに来る。
その相手も抜き去るが、新たにきた選手にとうとうボールを奪われてしまった。

「くっ、」


「零れ球を基山がフォロー、ドリブルで持ち込む!」

『ボールを持った相手を次々と素早く襲いかかり、攻撃を阻止する…、
 これがナイツオブクイーンの"アブソリュートナイツ"…』
観客席でゆっくりと呟くサクラ。
それと同時に、アーロンは「反撃、開始だ!」と叫んだ。


飛鷹と栗松が抜かれ、エドガーにボールが渡る。

「やらせるかってんだよ!」

綱海がスライディングをするが、難なくかわされ、そのままシュートされるが、
円堂はそれをがっちりと止めた。

「ナイスセーブだ」

「負けてたまるか…、
 俺たちは、世界一を目指してここに来たんだ!」
「…世界一?」
エドガーがそう問いただすと、円堂は「あぁ!」と立ち上がる。


『どうやらイナズマジャパンは、世界一の意味を分かってはいないようだね…』
「…そうじゃの、」
観客席でのそんな会話の途中に、サクラの携帯が振動した。
『はぁ、こんなときに』

『はい、もしもし』と電話に出たサクラは、突如顔を顰める。
その様子に、老人は驚いたのかサクラを見つめた。

「どうした、」
サクラは溜め息をつくと、顔を上げて『ちょっと失礼します』というと、席を立つ。
出口に向かって歩く彼女を、老人は見て呟いた。


「サクラ…、」と。

































『最近は随分と電話してくるようですね』

「早くお前をこっちに戻さないと計画が上手くいかないものでね」


前と同じように、不気味な笑い声を残す相手。

『誰が貴様のような人間の支配下に戻るものか』

サクラはひとつ溜め息をつき、瞳を閉じる。
再び開いたその瞳は、さっきまでの澄んだオッドアイとは違い、
両方の瞳が金色に染まっていた。

「さぞかし、今のお前の眼は金色だろうな」
『それがどうしたんですか』

冷たくなったものだ、と笑う電話の相手。
サクラはそんな相手に呆れたのか、また溜め息をつく。


『言った筈だ、私はお前の悪事を暴くと』

「…お前は常に私の掌にいるようなものだ。籠の中の鳥も同然なのだよ、サクラ」


サクラはしばらく黙りこみ、やがてゆっくりと口を開いた。

『だったら私は、籠の中でやれることを精一杯やって見せる。
 私がお前の掌で転がされようが、捻りつぶされようが、私は彼らを…』


"円堂守を信じてる"。


そう言えば、相手は笑い「精々頑張るんだな」と告げる。

『…私に手を出すのは自由だが…、皆に手を出したら・・・』


ブツリ、と電話が切れる音。
スタジアムの中に入ろうとしたら、ホイッスルの音が聞こえ、
それと同時に歓声が響き渡った。

『ナイツオブクイーンが一点とったか…』


サクラはそう呟いて、スタジアムの中へと消えた。