二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン3 〜最強少女と世界のプレイヤー達〜 ( No.27 )
日時: 2010/07/22 14:26
名前: さくら (ID: 3KWbYKzL)

「エクス、カリバー!!」

エドガーがゴールエリアから放ったシュートに、円堂は息をのんだ。

「ザ・マウンテン!」

壁山は必殺技を使い、止めようとしたが、
エクスカリバーの威力の前に吹き飛ばされてしまう。
「うわぁ!」


「くっ…、いかりの、てっつい!!」
物凄い音がしたと思えば、ボールは円堂の手によって止められていた。
「間一髪、なんとか防ぎました!」

マクスターの実況に、イギリスを応援している観客たちは肩を落とす。


円堂がボールを投げようとした、その時だった。

「っ!壁山?!」

目の前には、倒れて動かない壁山の姿。
円堂は壁山の名前を大きく叫んだ…———、

























「壁山!」

倒れた仲間に駆け寄る円堂。
その姿を、エドガーは見つめる。

「壁山、大丈夫か?」
壁山は苦しそうに起き上がり、
「キャプテン…、」と、力なく呟く。


「アクシデントです、壁山、起き上がれません」
「物凄いシュートでしたからね…、かなりのダメージを受けている筈です」

『……』
サクラは黙って、グラウンドを見つめる。


ベンチでは、音無が心配そうに
「プレーは続けられるんでしょうか…」と呟いていた。

すると久遠監督は、「染岡、」とベンチに座る、ピンク色をした髪の毛の少年を呼ぶ。
その少年、否、染岡自身も驚いたらしく、「えっ…」と声を上げていた。

「交代だ」

久遠監督がそう言えば、染岡は引き締まった顔で立ち上がり、
「はい!」と、いい返事を返す。


「壁山、よく頑張ったでヤンス!」
「…根性あるな、お前」

栗松と飛鷹がそう声をかければ、壁山は悔しそうに、
「何度もやられたら悔しいっス」と、本当に悔しそうに顔を歪めた。


「イナズマジャパンの失点は、俺たちの失点だけじゃないっすから!」

「っ!」
円堂は驚いたように壁山を見る。
その時円堂の頭には、先程エドガーに言われた言葉が蘇っていた。
「壁山…」

綱海は「分かった、後は任せろ」と言い、
飛鷹や栗松も、同じように頷く。


『ディフェンダーの彼の代わりに、さっき立った<染岡>さんをを入れるなんて…
 攻撃的な布陣に変えてきたか、イナズマジャパン』
アブソリュートナイツが崩れてきている今、布陣を変える…、
『さすが』と、サクラは嬉しそうに呟いた。
『それにしても、あのお爺さんは何処へ行ったのかな』


ベンチでは、壁山が「染岡さん!」とグラウンドを見つめる彼を呼んでいた。
その声に、染岡は後ろへと振り向く。

「頼むっス!」
「壁山…、」

自分に託してくれた壁山の思いに答える。
きっと、染岡はそんなことを思っていただろう。

「…あぁ!必ず点を取ってやる!!」
と言って、グラウンドへ走り出した。


『あ、お爺さん。今まで何処へ行ってたんですか?』
「すまんの、ちょっと色々あってな」

戻ってきた老人は片手を上げ、元いた観客席に座る。

『今、選手の入れ替えをしたところですよ^^』
「…そうか」

グラウンドを見る瞳こそ、サクラは見ることが出来なかったが、
老人の顔を見れば、大体の試合の流れは掴めているだろうと思った。

(ただの監督じゃないな…、このお爺さんは。)


ボールが一直線に蹴りだされる。
どうやら、試合再開のようだ。

『投入された彼は、どんな流れを作るのかな…』
「……」