PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.20 )
- 日時: 2010/10/05 00:20
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
第二章.・*
1−1
「かか様ぁっ…!」
後ろを見ると、もうそこにはかか様も、私を狙った刺客もも忽然と姿を消していた。
「かか様…?」
歩みを止めて私はかか様がいたところの土に染み込んだ〝アカ〟を滲む視界で見つめた。
——ここに、かか様が居たはずなのに…!
「どこ…?」
私はキョロキョロと辺りを見渡した。辺りは恐ろしく静かだった。月は隠れ、冷たい北風が吹き、空からは粉雪が舞い落ちてくる。
ふいに、後ろから視線を感じて、私は咄嗟に振り向いた。
.・*
「…なさんっ…橘さんッ……!」
「ッ……!」
ぼやける視界で男子生徒を確認した風花は軋む身体を無理に素早く起こした。
その際、その少年のおでこに彼女の頭が激突したのだが、彼女はそれどころでは無いらしく、しきりに手を素早く開いたり閉じたりしてその動きを凝視している。息は荒く、汗で額に髪がべっとりと張り付いている。
「〜〜〜ッ!!」
(少年はひたすら悶絶していた。)
そしてしばらくして風花は、周りを見る余裕ができたのか、その生徒——奴良リクオを発見した。
「あzツ、……ごッ、ごめんなさいッ!」
風花は急いで立ち上がり、髪がぐしゃぐしゃしているのにも構わず、深く腰を折った。
と、彼女は力が抜けたのか膝から崩れ落ちる。
「だっ、大丈夫!?」
冷たいアスファルトに座り込んだ風花を慌ててリクオは支えたが、何かに気づいたのか、目を見開いて手を離す。
「キミは——!」
リクオが何かを言いかけた時、
風花の視界がぐらりと傾き、意識を失った。
PR