二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.26 )
日時: 2010/10/05 18:03
名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)

1−6.・*

屋敷中に響きそうな程大きな音がして、ゼンとリクオはおっかなびっくり、音の方に首を伸ばす。
そこには、リクオにとって見覚えがある顔があった。

「橘…?」
「おい、リクオ。あいつ、知り合いか?」
「ああ。」

身体の弱そうな青年がコソコソと怖いものを見る目でリクオに耳打ちする。
風花はそんな二人の元に駆け寄り、リクオの瞳を全てを見透かすかの様な眼で見つめる。


「オメェ、寝てたんじゃ」
「ホントに、奴良君?」
「ッ!?」
「奴良君…なの?」
「…………」


   「………そっか。奴良君も妖怪なんだ?」

風花は少し微笑んだ。
鴆は違和感を感じた。

——「も」? それになんでリクオってわかったんだ? 例えリクオだと分かったとして、何故妖怪だと分かる?


「おい、リクオ。こいつぁ」
「で、奴良君。なんで私、君の家にいるワケ?:

鴆は言葉を遮られ池の中の鯉のように口をパクつかせているが、風花一撃必殺技「華麗なるスルー攻撃」で迎え撃つ。


「後で説明してやるから、今は寝ろ。顔色悪ィぞ。」


リクオは質問からぬらりくらりと話を逸らすと、新たに盃に妖銘酒をたっぷりと注いで一気に飲み干す。
その刹那風花はリクオから盃を奪うと、妖銘酒を引っ掴み、乱暴に注ぐと一気飲みして立ち上がり、縁側から離れ、襖に手を掛けた。

心臓の高鳴りが五月蠅くて、信じられなくて、消したくて妖銘酒を飲み干したが風花は、後悔した。
頭の中に鐘があるようでぐわんぐわんと鳴り響く。まるで警告のよう。

そして風花は頭痛に耐え切れなくなって襖から出る。

「……なんだ? ありゃ。」
「………………さあな。」

男二人が首を傾げたその瞬間、襖の向こうからドサッという音がして、リクオは「オイッ」と立ち上がり、襖を開け少女を抱き上げた。
残された孤独な鴆は、よっこらせと薬を用意すべく
立ち上がった。