二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.39 )
日時: 2010/10/11 23:03
名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)

1−5.・*


「ここに来た理由を教えてほしいんだ。それと、いつ来たのか。」

風花の目をじっと、逃がすか、という様な瞳で見つめている。
これは嘘言ったらヤバそうだ。
風花はそう思ったのか、さらっと言った。

「1600前………。」
「……え?」

1つ目の質問すっ飛ばして、言った。
リクオの目が点になった。すごい、人間の目って本当に点になるんだ、などと風花は考えながら、内心笑っていた。
だが、表向きは相変わらずいつもの、目に何も映していない無表情だ。

「や……でも、え、あ……」

リクオは動転し過ぎて言葉が出てこず、目はすごいスピードで泳いでいる。

「じゃあ、もう行っていいよね。」
「ままっ待って!」

リクオは背を向け歩き出した風花の華奢な手首を掴んだ。
その瞳は真っ直ぐに風花を見据える。

「——何?」
「何の目的で……ここに来たのかだけ教えて。目的次第でボクはキミを——」
「ふふっ…………さあね。それに今のキミじゃ、きっと、いや、絶対私を倒せはしないよ。今のキミじゃあね。」


16本全ての尾をリクオに向けて意味深な言葉を残すと、風花は姿は細かな塵となって、風に乗って消えた。

「今の…………ボク。」

リクオは自らの右手を見つめて、風花の言葉を反芻した。
その掌には何もなく、リクオは顔をあげて空を仰ぎ見る。
空はどんより曇っていた。