二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: らぶっ! 【学園BASARA】 ( No.9 )
- 日時: 2010/10/05 22:39
- 名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: MDpJUEHb)
- 参照: あいらぶゆー!
0、はじまりっ!
「はーい、起きて稜弥ちゃん、学校遅刻するよ」
俺の朝は、オカン男子高校生の声で始まる。俺はまだ夢から覚めたくなくて、深めに布団を被った。
が、しかし剥がされる。
『っきゃー!! 寒い!! 空気が寒い!!』
剥がされると同時に俺を襲う寒気。掛け布団がこんなにぬくい物だったなんて!!
俺が両腕を押さえてガクガクと震えてると、佐助はハァとため息をついた。
「早く起きて、朝ごはん冷めちゃうでしょうが」
佐助の朝ご飯は絶品なので、食べなきゃ一日送れない。
渋々俺は起き上がる。目を擦りながら。
『うー…… 佐助起こし方ダイナミックすぎるんだよばかー……』
俺がそう言うと、佐助は俺の頭をペシッと叩いた。
「こうでもしなきゃ稜弥起きないでしょ。ほら、早く着替えてご飯食べなよ」
本当にオカンだな、コイツ。
再確認した俺は、佐助の言うとおりにする事にした。
ゆっくりたるーく起き上がって、布団片付けて、制服がかかったハンガーを手にする。
そんでもってパジャマとボタンを上から外そうとした時に、俺は視線に気付いた。
『……おーい佐助、何見てんだこのやろう』
そう、ドアの隙間から注がれる変態猿の視線に!!
「ありゃ、バレた?」
おどけた口調で言う佐助に、『分かるわ』と追撃する。
『着替えるから、あっち行って』
「男装するぐらいなんだから男に見られても別に大丈夫で」
『うるさいわァァァ!! あっち行けって言ってんだよこの変態オカンがァァァ!!』
俺が強烈な蹴りをドア越しに食らわすと、佐助は吐血しながら床に堕ちていった。
佐助だから死んでない、はず。
何か物凄いBASARA学園の女子制服って、まったく俺に似合わない。
スカートのヒラヒラやらなんやら、もう俺みたいな底辺の奴が着る物じゃないの思うの!
だからさっき佐助が言ってた通り、男子の学ランを濃姫先生に許可貰って着てるんだけど———……
『……これでいいのかな………』
たまに、不安になる。
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『はーい、幸村おはよー』
「うむ、お早う稜弥」
俺が着替えてダイニングに向かうと、もう幸村が準備万端でご飯をかっこんでいた。
今日の朝ご飯は焼き鮭に味噌汁に白米か!! また素晴らしいラインナップだな!!
『佐助は変態だけど家事に関しては一級だよね』
俺はそう言いながら席について、いただきますと礼儀正しく挨拶してから、ご飯を食べ始める。
「稜弥が見てない所で俺様頑張ってんだからね、これでも。家事だけじゃないから」
俺の蹴りを受けた頬にガーゼを貼った佐助が、そう言いながらオレンジジュースを持ってきてくれた。
すごく……痛そうです……
ご飯は素晴らしく美味しかった。すぐに食べ終わって、俺はオレンジジュースを一気飲みする。
タァン! とグラスをテーブルに置いて、
『ごちそーさんッ!! 幸村!! 学園まで競争だー!!』
と叫ぶと、俺は置いといたバックを持って玄関へ駆け出した。
「なっ!! 抜け駆けとは卑怯で御座るぞ稜弥ァァァ!!」
幸村も口元にご飯粒をつけたまま、部屋を勢い良く出る。
「あっ! ちょ、2人とも待ってよ!!」
後から佐助も、必死になってついてきた。
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家を出て、幸村に追いつかれないように全速力でダッシュした。
俺の走力と脚力なめんなよ!! 途中でバナナの皮も落としておいた!! 暫く彼奴等は追いついてこれないはず!!
俺が走ってると、見慣れた眼帯が見えたので、俺は急停止した。
『まっさむねー!! おはよー!!』
そう呼びかけるとすぐにこっちに気付いた政宗に、俺は笑顔で手を振る。
すると、政宗は俺の方に超高速で向かってきた。
そんで、
「Good morning , my honey!!」
と言いながら、ムギュウッと抱きついてきた。
『うぐおおお!? ちょっ、まざむねっ、死ぬ、酸欠で死ぬッ!!』
ギブギブ!!と政宗の肩を叩くと、やっと解放してくれた。
『ったくお前は、朝早くの往来で何やってんだよ!!』
政宗の抱きつきの勢いで落ちてしまったバッグを拾いながら、そう政宗に言った。
「何って、おはようのhugに決まってんだろ」
政宗はそうクールに言う。
何だコイツ、いつも思うんだが何故に英語を交えてくるんだ、つかなんでこんなに無駄に発音がいいんだ?
「朝っぱらから楽しそうじゃねぇか、稜弥よう」
すると後ろから、また魅惑の低音ヴォイスが聞こえてきた。
『おっ、元親! おはよう』
「よっ」
にこやかで爽やかな笑顔で返事を返してくれたのは、俺の大親友である元親だった。
元親は俺の髪の毛を、その大きい手でわしゃわしゃにした。
『聞いてよ元親、この変態が朝っぱらからセクハラ働きやがったよどうにかしてくれよ』
俺は政宗を指差してそうため息混じりに言う。
「男装してる奴が男子にセクハラされたなんて大声で言うもんじゃねーぞ?」
「That's right,注目浴びてんぞ稜弥」
政宗に言われて、俺は周りから注がれる冷やかな視線に気が付いた。
ちょっ、恥ずかしい!! 何この羞恥プレイ!!
ていうか元親は味方してくれると思ってたなんだけどな。
つか政宗がした事なんだよ?
俺は周りの人たちに『違いますよ!? 違うから!!』と今あった出来事を否定して、政宗たちに向き直った。
『……じゃ、ほらもう学校行こうよ。遅刻するって』
俺はため息をついて2人に言った。
幸村カラーの腕時計を見やると、もう7時30分。登校完了時刻は8時。ヤバい、毎回8時にはきっちり席に座ってる俺の記録が!!
そんな事をもんもんと考えていると、遂に奴が来てしまった。
「りょおおおおおうやあああああああ!!!」
『いぎゃあああああ!!』
俺お手製のバナナトラップが突破されたというのか!?
こっちに必死の形相で猛ダッシュしてくるのは幸村だった。
大声で名前を叫ばれてしまい、つい俺も悲鳴をあげる。
政宗も元親もビックリして目を見開いてる。
「罠を仕掛けるなど卑怯で御座るぅぅあああ!!」
「……何をしでかしやがったんだお前……」
「朝から騒がしくていけねェな!!」
頭が少し可愛い元親は状況があまりよく分かってないようだけど、政宗は俺に疑心の目を向けてきた。
お、俺だってあんな幸村がボロボロになるとは思わなかったもの!!
つか、追いつかれる!!
そう思った俺は、歯を食い縛って再度走り出す。
『政宗、チカ!! ごめん俺幸村に追いつかれそうだから先行くわ!!』
「あ!? え、あ、お、おお……」
「朝から本当に楽しい奴だぜ……」
2人に呆れられてしまった! 仕方ねェか!!
こうしてる間にも幸村は迫ってくる。ヤベェ超怖い!!
ホントごめんね! と片手を上げて2人に謝ると、俺は学園へとダッシュした。
今考えると……
いつもこんな感じだと思うんだ。
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