二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *・.D-Gray-man.・* ( No.16 )
- 日時: 2010/10/09 19:03
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
第Ⅱ夜
「伊織さんって、教団で一番の大食いですよ、きっと。」
アレンが食後のアイス、みたらし団子、マンゴージュースを食べたり飲んだりしながら言った。
アレンやラビ、リナリーの視線の先には、10人分はあろうかという程、大盛りのドライカレーをもぐもぐと食べている伊織がいる。
ラビは呆れ顔、リナリーはすごい苦笑い。
ものの7分もしないうちに食べ終わった伊織は乱暴に、食べ終わった皿の上にドライカレーがあった皿をガシャン、と乗っける。
そして、フォークも持って、カルボナーラをつつく。
「伊織ちゃん、ホントすっごくよく食べるもんね。」
リナリーもオムライスをもぐもぐと食べながら言った。
その間にも伊織はカルボナーラを片づけ、ナポリタンに手をつける。
まだラーメンの醤油味と豚骨味、カルパッチョにミネストローネにピザ、親子丼が伊織の周りをふよふよと浮いている。
神田はお茶を飲みながら食堂の照明をぼんやりと見つめている。何か悲しい記憶でも思い出しているのか。
「ふぉーお?(そーお?)
アヘンほほーはふほひっへ。
(アレンの方がすごいって。)」
もふもふ言いながら飲み終えると、また一口、口に運ぶ。
成長期が過ぎ去っても大食いな伊織だった。
食堂であれから伊織は10分間物言わず食べ続け止まった。
止めざるをえなかった。
というのもアレンに止められたのだ。
「あーっ まだ食べるーーっ」
普通なら伊織ははね飛ばすが、アレンの両手ががっしりと伊織の手首を押さえつけているため、フォークが持てない。
それでも伊織の手は血管を浮かび上がらせながらもぞもぞと意思を持っているかのように蠢く。
神田はその光景を一瞥すると、自室へ戻るが為、立ち上がって歩きだした。
「あーっ ユウっ!!」
突然伊織は神田のファーストネームを叫ぶ。
周囲の人々は顔面蒼白に。
神田はこちらを睨みながら一言
「刻むぞ」
凄みを利かせて言った。
「ごめーん、ユウっ」
性懲りもなく伊織が無邪気な笑顔で言った後、食堂には「界蟲一幻!」という声が響いたそうな。