二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *・.D-Gray-man.・* ( No.18 )
- 日時: 2010/10/09 19:42
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
第Ⅲ夜
「ねえ、みんな、頭にたんこぶ作ってどうしたの。」
ここは指令室。
室長であり、リナリーの兄でもあるコムイ・リーが偉そうに優雅に(ふんぞり返って)コーヒーを啜っている。
「いや、別に。大した事じゃねーよ。」
10歳くらいの天使の様な金髪少年がバツが悪そうに頬を掻いてそっぽを向いた。
隣にいる顔が瓜二つで、髪の毛が琥珀色の少女が言う。
「いい歳したエクソシストの界蟲一幻食らったいい歳したエクソシストの被害者達が倒れてきて、巻き添え食らって床に思いっ切り頭打ったって言えないものねー。」
室長の汚いデスクの前に立っているピンクのフリルの着いた膝上のワンピースを着た、
腰までのウエーブのかかった髪が特徴の思いっ切り暴露した少女——シャーロットは言った。
そして、金髪少年——エドに「ね、エド?」と同意を求める。
と、エドは「そのとぉーりー」と扉の近くで立っている神田に痛烈な視線を送る。が、そんなことはお構いなしで、当本人は高い本棚を見上げている。
そんな二人の間には一緒にソファに座って天井を仰ぎ見るアレンと伊織がいる。
「ねえ、あたしの事忘れてない? ねえ。お腹に界蟲一幻食らって死にかけたこの被害者の存在忘れてない?」
「そうですよ、バ神田、君がそんな事するから——」
「うるせえ、モヤシ。」
「だからアレンですってば。何回言えば分かるんですか? 単細胞生物め」
「この白髪まみれが。」
「抜刀男め。いつかその六幻へし折ってやる。」
「ねえ、ボクの事も忘れてない? ねえ。」
コムイの問いかけも華麗に無視した二人の口喧嘩は止まらない。
伊織は「あたしは非力な傍観者でーっす♪」と、ソファーの肘掛けに移動する。
「大丈夫、いざとなったら、あたしのイノセンスでブスブスブススッとユウとアレンを刺したげるから!」
と伊織は目の前にいる双子ちゃんに諭す様に言うと、指先から出た羽根を弄くりだす。
そして思いついた様にコムイに言った。
「あ、もしかして、しつちょーサン。任務の説明でここにあたし達を呼んだのー?」
「そうなんだけどっっっ!」
「あ、じゃああの二人止めた方がよかべ——」
「当たり前っっ」
「了ー解」
その後、取っ組み合いになりかけていた男子二人の脳天には羽根が遠慮と容赦のカケラも無く刺さっていたそうだ。
——女は怖い。