二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【二ノ国】 マルの『秘密の冒険』 ( No.128 )
- 日時: 2012/12/29 18:32
- 名前: 彌浪 (ID: u6knrXHP)
19話「再会」
目が覚めると、其処は知らない所。
真っ白な世界だった。
「此処は……」
後頭部からかかとにかけて、硬い物に当たっている。床だろう。
私は立ち上がった。身体が若干重く感じる。
周りが真っ白過ぎて、この空間が何処まで続いているかが分からない。少し怖かった。
しかし、前後左右、何処までも続いているような気がする。気がするだけなのに、そうだという自信がある。
周りを見回してみると、遠くに人影が見えるような、見えないような。
そして、そのはっきりとしない輪郭を見ていると、どうしてだろう、何処か懐かしい。
近づくと、だんだんとその輪郭ははっきりとした形を造っていった。同時に、それが誰だかも分かった。
黄色のショートカットの髪の女性。
私の姉、ライ・アデュース。
ライ姉は後ろを向いていた。
「ライね——……」
「ソーラ」
私の声は遮られた。
ライ姉は、後ろを向いているのに、私が居る事を知っていたらしい。
「成長したな」
……。
「…有難」
ライ姉の背は、私と同じくらいだった。
ライ姉の享年は17。そして今さっき死んだであろう私の年齢も17。つまり、此処に居るライ姉は、死んだ時のままの姿。
「なぁ、ライ姉、此処は何処なんだ…?」
「何だろう…まぁ、天国のようなものだな」
「ふぅん…。ライ姉はずっと此処に?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。"あれ"から、どれ程の時間が流れたか……正直、分からないんだよな」
「へぇ」
「ずっと後悔し、心配してた」
「何を?」
「死に際の事と、お前の事」
率直に言われた。
「あんな幼いお前に、あんな無様な最後を迎える姉の姿を見せて、まともにお前を育ててあげられなくて、後悔してた。そして、俺の居ない所で、お前はどう生きていくのだろうか…と心配してたんだ」
でも…私は!
「私は…ライ姉と同じ過ちを……」
「…大丈夫、俺には此処でお前にどーこー言う権利は無い」
「……」
「…ごめんな、重い空気にさせて」
「…ああ。それじゃあ一旦話は終わり。また会おうな、ライ姉。私は暫く、此処を歩くとするよ」
「…分かった」