二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 少年陰陽師*もしも、昌浩に二つ違いの姉がいたら・・ ( No.2 )
日時: 2011/03/23 06:47
名前: 翡翠 (ID: 2fGMg0kq)

〜プロローグ〜

今から、十六年前、一人の少女が安倍邸に生まれた。

生まれたその子には、【紫春】と言う名が与えられた。

その名の理由は、瞳の色が紫であると言う事と、春に生まれたから。

そうして、生まれてきた少女が三つになった頃の事。

「よしよし、紫春は可愛いのぅ」

晴明は、紫春の頭を撫でてそう言った。
そして、そんな彼を後ろの柱にもたれかかって見ているのが、

「宵藍、睨んでないでこっちに来い」

十二神将、青龍だ。宵藍と言う名は晴明が授けたものだ。

「・・・断る」

眉を吊り上げて言う青龍の顔は相当怖い。

「全く、紫春。間違っても宵藍のようになってはいけないよ。眉間のしわが取れなくなってしまうからな」

わざわざ、青龍に聞こえるように晴明は言った。
もちろん、それは、青龍にも聞こえているわけで、彼は一度晴明を睨むと、穏形してしまう。
そのときだった、紫春が初めてしゃべったのは。

「しょ、らん?どこ??」

目をぱちくりさせて言う紫春の言葉に文字どうり晴明はもちろん、青龍も硬直していた。

「・・・宵藍。聞いたか?紫春の初めての言葉を」

紫春が始めて口にした言葉は、お母さんでもなく、お父さんでもなく、
宵藍と言ったのだ。

「・・・」

無言のままの青龍に晴明はとても無茶な命令を下すのだ。

「紫春の面倒はお前がみてやれ。反論は聞かぬ。これは命令だ」

晴明の突然の命令に青龍は、反論したが、結局言いくるめられてしまった。
こうして、紫春は親が忙しい時はつねに青龍と共にいるのだった。


そして、紫春が生まれて、二年後末の孫昌浩が生まれるのだった。


 あれから、時は過ぎて、昌浩は十四。紫春は十六となる。
話はここから始まる。