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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ネジと歯車とプライド〜「私達に心などいらない」〜 ( No.156 )
- 日時: 2014/08/04 20:36
- 名前: 鏡猫 (ID: NFbvEd0b)
第4話 脱出
「勘違いしないでよ?別に貴女の為じゃないから!」
これは自分の為。
アタシも外の世界に出て行ってみたいから行ってあげるだけ。
そう、それだけなんだから
「うん、わかってるよ。どうもありがとうね!」
その言葉に少しドキリとした。鏡音はアタシに手を差し伸べてくる。
アタシはそっとその手を握り返す。
「これからよろしくね!リン!!」
「そうね」
アタシたちは排気口を見つめる。
これから始まるアタシたちの戦い。
この汚らしいごみ処理場から新しい世界へ。
「…ねぇリン。私たち普通に造まれたなら幸せに生きられたかな」
鏡音…リンは握る手を強くして言う。
「不良品の私たちだけど愛してくれる人はいるのかな」
アタシはその手をさらに強く握り返して言った。
「それを確かめに行くために今、私達はこの奥へ進むんじゃないの?」
「! …うん、そうだよね!よし。行こう。リンが先にいくね」
リンはアタシの手を離して先に排気口の中へと潜っていく。
その後をアタシは追っていった。
ごみ処理場に残るのはガラクタ達とTYPE-L。
そしてG。
「行っちゃったね、2人」
静まり返る中、TYPE-Lは呟いた。
そしてふとGの何かの変化に気付く。
「…悲しんでいるの?G」
「我は…SN7F-R達がここにいてくれればよかったのだ…それだけで」
その言葉でTYPE-Lはある事に気付く。
「…そうか、君の役目は不良品を抹殺すること…だったね。僕は止めないよ」
そっと彼が目を閉じるとGはゆっくりとSN7F-R達が出ていった方向へ歩きだす。
——やがて訪れる、いくつかの出会いと別れ。
やがて君たちは、多くのことを学ぶ。
普通とは何か、それは正しいことなのか。
だけどいまはただ、ひたすら走り続ければいい——
「僕は君たちが一緒にここから逃げ出すことを祈ってるよ。“鏡音リン”」
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