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第１０話
　「僕がやってみせる」


　吹「葦武紀さん・・・・」

吹雪は静かに泣いている葦武紀の頭を撫でる

　葦「ヒック・・・ふぶ、きさん？」

葦武紀は頭を傾げながら
吹雪を見詰める
吹雪は優しく微笑み

　吹「僕は美紗さんの事を無理には聞こうとはしないけど・・・美紗さんは、僕とにている気がするんだ」

　葦「にている？」

吹雪は目をつぶり話す
葦武紀は吹雪の『にてる』という言葉に反応し、聞き返す
吹雪は「うん」と１回答え、

　吹「美紗さんは、どこか縛られた様にサッカーをしていると思うんだ。僕も・・・・昔はね・・・」

吹雪は懐かしいとでもいう様に語る
その話しに葦武紀は赤くなった目をぱちくりさせ

　葦「私、美紗と幼なじみって言いましたよね？」

　吹「え？・・・う、うん」
突然のことに吹雪は少し驚いたが、頷く

　葦「私達の秘密は言えません。ですが・・・・吹雪さんなら・・・・・美紗が笑顔になってくれると思うんです!」


葦武紀は〔パァッ〕と顔を明るくしていう

　吹「僕が？美紗さんを・・・・」


　葦「はい!美紗は、中学生になってからかわった・・・・笑顔がなくなったの・・・だから・・・

途中で葦武紀の言葉が途切れる
続きが言えないのか、葦武紀は唇を震わせた間々、何も言わなくなった

　吹「僕、キャプテンみたいに人を励ますなんて特技はないけど・・・・やってみるよ!」