二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.155 )
日時: 2011/08/20 18:28
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: tpknTIYj)

 電車はO駅で止まり、少し歩いて川原に着く。
「はい、いつみ。今度からは、もう遅れないでよねっ!!」
 莉々がデイパックをわたしにわたす。 
「ずっと持っててくれたの?」
「まあね!」
 でも、重い!!ので、ムスビを外に出し、カラのデイパックにはウプトラの玉を入れた。
「あっ、あそこ。ルナちゃんたちはもういるのね。」
 背中を向けたルナちゃんと白猫のスネリちゃん、人間姿のもっくん、じゃなかった、もっけくんがいる。
「お〜いっっっ!!」
 莉々が叫びながら走る。急いでないから。走んなくていいから。
「おう。来たな。出発前に、ちょっと聞きたいんだが。」
 もっけくんが、わたし達が到着するのを待って、話し出した。
「本当に、沖縄には何かあるんだな?妖怪、またはその痕跡が。」
 ここにきて、わたしはうっと詰まる。
 そう、確信なんて無い。ただ、おばあちゃんのいただけの、ムスビとわたしにとっての思い出の場所に過ぎないのだ。
「無いかもしれない。」
「マジかよ。」
「でも!」
 でもまで言ったはいいけど、言葉が続かない。
 だって、言葉じゃなくて、なんか感じる不思議なパワーみたいな、吸い寄せられるような感じがするのに。
「……見て……。」
 突然、ルナちゃんが、驚いたように言う。
 見るや、スネリちゃんともっけくんが目を見張った。
『朱雀のブレスレットが!』
「光っている!?ルナ、かせ!!…あつっ。」
 朱雀のブレスレットと言われたのは、一粒だけの赤い玉が皮ひもに通された、簡素でありながら魅力的なブレスレットだった。
 その赤い玉が光っている。しかも、一筋の光は、あるひとつの方角に放たれていた。
「南…??」
 玉ちゃんがつぶやく。
「朱雀。あなたは、わたし達を導いているの……?」
 ルナちゃんの一言には、誰も答えられなかった。