二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ナビ・ルナ&ムスビ ( No.279 )
日時: 2011/10/24 16:20
名前: ルルにゃん ◆8/MtyDeTiY (ID: 86FuzJA.)

 ルナちゃんは、心の隅にある何かを引き出すように、しばしじっとしていたけれど、きゅっと両手を複雑に組んだ。
「異世界開通符、急々如律令!!」
 すると、ルナちゃんの手の中から紋様のようなものが描かれた和紙が飛び出した。
「な!?」
 それが正確に光の当たるところに落ちる。けれど、溶けた、というか掻き消えた。
「一枚じゃ足りないんだ。ルナ、もっと飛ばせ。あ、いつみの補助だから、力を使いすぎるなよ。」
「分かってるよ!」
 いまや、ルナちゃんの気迫はすさまじいものだった。
『いっちゃん!今ですよ!!』
 3枚目の和紙が消えたころ、ムスビに叫ばれた。
 心の声に耳を澄ませて。
 あぁ、何か聞こえる。それがそのまま、口からこぼれだす。
「天の守護神、太陽の神、ビンヌスゥイよ。きたりてわたしたちをお救いください。」
「あぁっ、いっちゃん!!」
 握り締めた玉が、溶け出して形を変える。あの、不思議な両刃の剣へと。
 人間界でも、形が変わるのだ——。
 足が不思議なステップを踏みつつ、川へ近づく。
 川に刃の先をつけた。ルナちゃんが、懸命に出す札も、弱弱しくなっている。視界にちらりとスネリさんに癒されているルナちゃんを見た。
「ナマ サマ ナオーム ア フーム」
 水についた部分を縦横に振る。
「オム ヴァラ ツートゥ マム」
 ざぱっ、と水をすくい上げるように剣を振り上げた。