二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモンBW】災厄の魔女〜凍てつく境界を統べる者〜 ( No.25 )
日時: 2011/11/13 13:54
名前: 水瀬燈夜 (ID: RHCEY5Ol)

【第1章】再会と、新たな出会い⑩

トウコとベルの呼びかけに、トウヤ、N、チェレンの3人はすぐにベッドへと近付き、そっと覗き込んだ。

確かに、目を覚ましたようであった。毛先の空色を残して他は綺麗な銀の髪のその人は、少し眠たげに開かれた藍の瞳で周囲を見渡していた。まるで、誰かを捜しているように。

Nを見た時までは眠たげであったその瞳は、トウヤの姿を捉えると同時に信じられないとばかりにまで見開かれた。

「……え、嘘…………」

トウヤの姿を捉えた途端に、口からか細い声が溢れた。そのまま見つめられているのが恥ずかしいのか、トウヤは照れくさそうにしている。

「…………ノク、ト……?」
「…………え?」

次の瞬間に呟かれた名前は、違ったけれども。トウヤは思わず素っ頓狂な声を上げるが、Nはどこか納得したような様子であった。チェレンたちも口をぽかんと開けたまま、立ちすくんでいる。

「……えっと、人違いじゃないか?」
「……違う」
「え?」
「…………ノクト本人ではないのは知ってる」
「じゃあ何で……」
「……似てるから」
「似てる?」
「…………そう」

そう言うとその人は、ベッドから降りてスワンナの元へと歩いていく。スワンナはとても嬉しそうな鳴き声を上げ、白く美しい翼を広げた。その頭を撫でながら、その人は言う。

「アヴェンダ、お疲れ様。え、助けてくれたからここにいる? そうなんだ…………じゃあ後でお礼しなきゃ」
「あ、あの……?」

アヴェンダと呼ばれたスワンナと会話をしているその人に、チェレンが恐る恐る声を掛ける。その声が聞こえたのか、その人はスワンナから手を離すと唖然としている5人の目の前でゆったりとした動作で礼をした。

「……初めまして、僕はレイティア。カゴメタウンの『神子』で、キュレムに選ばれた者。そして…………」

そこまで言うとレイティアはふわり、と宙に浮かび、僅かに笑みを浮かべて言った。

「…………ゼクロムに選ばれた理想の英雄が愛した、『災厄の魔女』の生まれ変わりだよ」




【第1章】あとがき

ようやく第1章終わりました! ここまで長かった……!!
とりあえず、第1章は『再会と、新たな出会い』ということで主題を『Nとの再会と、レイティアとの出会い』としてみました。とりあえず腐的要素はないです、はい、本当に。

トウヤくんは新たな旅に出ます。Nとチェレンと、ここで出会った謎の『神子』レイティアと共に。ゲーチスがプラズマ団を再結成してまで野望を果たそうとする理由とは? 『神子』レイティアは一体何者なのか? 『災厄の魔女』とは? 続きは第2章でお会いいたしましょう。