二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモンBW】災厄の魔女〜凍てつく境界を統べる者〜 ( No.40 )
日時: 2012/01/05 23:20
名前: 水瀬燈夜 ◆Ci25SRjI3g (ID: RHCEY5Ol)

【第2章】奇襲! プラズマ団⑨

部屋を出た男性は無人の廊下をゆっくりと無言で歩いていく。その足取りはとてもゆっくりではあったが、どこか自信に満ち溢れているようにも感じる。

「フフフ……逃げられるとは思わないでくださいね」

どこか妖しい笑みを浮かべながら、男性は玉座へ座る。それを待っていたかのように男性の近くに1人の男性が近づいてきた。

「ゲーチス様。カノコタウンで阻止したとされる少年の身元が分かりました。彼は半年前にゼクロムに選ばれ、英雄として我々に立ちはだかった存在。彼と、あの方は接触をしたと思われますが」
「そうですか、なるほど彼が……でしたら」

男性——ゲーチスは玉座から立つと、声高らかに言い放った。

「イッシュ地方全域へ赴き、彼らを阻止しなさい。絶対にあの方は逃がしてはなりません」

玉座の周りから団員たちの歓声が沸き起こる。目の前にいる男性はゲーチスのその様子を見てそっと告げた。

「ご安心ください。あの方の身体にはもうじきあれが出てきます」
「そうですか、ではあの薬を投与したと」
「はい、抜け出す直前に」
「彼らがどう動くか、楽しみですね」

玉座には怪しい笑い声が響いていた。


——それをそっと見ている1人の少女の存在に気づくこともなく。