二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 王子はただいま出稼ぎ中*隣国の王女*【原作沿い】 ( No.4 )
- 日時: 2012/06/02 23:44
- 名前: 勾菜 (ID: AjzyS2SC)
久しぶりに更新です
***
「あの子はいつもの部屋にいると思うわ」
「ふふ…ユートらしいですね」
きらめく白金の髪の少女と輝く金褐色の髪の女性が冷たい廊下を歩いていた。
その後ろに控えているのは闇のような深い藍色の髪の青年だ。
「あら…」
「ユートっ!」
廊下の角から明るい黄みがかった茶髪の少年と冴え冴えとした銀髪の青年が現れた。
パッと少女は顔を輝かせる。
「!…レイア、リーシャ姉上!」
驚いたような、いろいろ複雑な表情を混ぜ合わせたような表情でゆっくりとこちらへと近づいてくる。
「なんなの、その格好?」
リーシャ、と呼ばれた女性が顔をしかめる。
その会話がなされている横でレイアと銀髪の青年…イルは会話を交わしていた。
「お久しぶりです、レイア様」
「久しぶり、イル。相変わらず?」
「レイア様、これがそう治るとお思いか?」
「フフフ…そうねぇ」
「ひ、ひどいですっ!」
「うるさい!」
ガツンっとユートが思い切りイルの頭を殴る。
「ユートはまた秘密のお仕事?」
「う…その…せっかく訪ねてきてくれたところ悪いがそういうことだ」
「じゃあ、私も一緒に行っていいかしら?」
「は!?」
「大丈夫危険なことはしないから」
「あらまぁ…じゃあ、ちゃんと守ってあげないとね。
未来の……なんだから」
リーシャはいたずらっぽく笑みを浮かべた。
「っっっ//あ、姉上!!」
「じゃあ、気をつけて」
「行ってまいります」
ユートはゆっくりと頭を下げた。
***
「大会本部…ユートはこれに出るの?」
「ああ…これなら自信があるからな」
「私も出ようかしら…」
「なっ!?!?」
「ふふ、冗談よ。勝つ自信はあるけれど」
クスリ、と笑う彼女にはユート自身勝てる気がしない。
「じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
レイアはユートの背を見送るとゆっくりと背を向けた。
広場にはグラシエとイルを待たせている。
グラシエとイルはたぶん一緒にはいないだろう。
そうなれば、危険分子はイルのみだ。
グラシエならばあの口の巧さでかわすだろう。
そう思って、少し足を速めた。
その瞬間。
目的としている広場から今までとは別のざわめきが起きた。