二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.13 )
日時: 2012/01/25 22:47
名前: 勾菜 (ID: iRJ1Fm4A)

「うえ〜なんでこう山道ばっかなの〜〜」
だいぶ日が暮れてきた山道を才蔵、千、伊佐那海の順で歩く。
「ちょっと待ってよ才蔵〜千ちゃん〜」
弱音を言うのは伊佐那海で、息がかなり上がっている。
「案ずるな、このあたりから上田だ。
 ここまで来ればもう大丈夫だろう。それに千もいるしな」
そう言って才蔵はくるりと向きをかえる。
「じゃ!」キラッ

「ちょちょちょちょっと待ってよ!もう少し付き合って!
 アタシお城の入り方なんてわからないし!」
そんな才蔵を伊佐那海が必死にひきとめている。
(お城に用?なんだろ…それにしても…仕事早いなぁ)
2人は気が付いていないだろうが、3人の周囲は囲まれていた。
「城って、信州上田城か!?」
「う…うん」
その一言で現実にひき戻らされる。
「帰る!」
「才蔵!」
今度こそ、才蔵は伊佐那海を振り払って歩き出す。
「…無理だと思うよ?」
「はぁ!?」
才蔵のどなり声に呼応するかのようにミミズクが騒ぎ出した。
「!!!」
「帰…さん…上田城が…どうとか…お前ら…怪しい」
ハッと2人が上を見上げるとそこには上田の忍たちが立っていた。

(コイツらもしや…)
才蔵の纏う空気がとげとげしさを増す。
(ああ…これ、止めなきゃいけないかなぁ…)
「怪しくないわよ!! アタシは出雲の巫女です!!」
「神聖な巫女…がなぜ暗殺者の伊賀者…と!?」
伊佐那海は身元をあかし、怪しくないと言い張る。
が、いかんせん信じてもらえない。
(まあ…アレは甲賀だし、才蔵は伊賀…ソリが合わないのはわかるけど…)
「でも…私も伊賀よりよねー…」
まあ、とりあえず止めようか…めんどくさいし。
そう思い、木の上の人物を見上げる。
「この2人は怪しくないわ、私が保証する」
そう叫べば、才蔵と伊佐那海が不思議そうな表情でこちらを見ているのがわかった。
「…我、千信頼してる…が伊賀者はみな外道だ」
「いやいや…私も伊賀よr「やはりな」
あ。まずい。
今の一言で才蔵がキレたらしい。
ブチっとか聞こえたきが…
次の瞬間、才蔵が木の上の彼に向かってクナイを投げつける。
「ちょっ…」
「うるせえんだよ!!集団でゾロゾロ来やがって!!腰ぬけの甲賀が!!」
彼が才蔵の放ったクナイを全てこちら側に打ち返す。
「伊佐那海 こっち!」
ぐいっと引っ張って伊佐那海を木の影へと避難させる。
「千ちゃん?どうしていきなり!?」
「あー…甲賀と伊賀は昔からソリが合わなくて…」
とりあえず、あの2人はほっとこう。
そう脳内で結論付け、千は伊佐那海に甲賀と伊賀のアレやコレやを話していく。
「ようするに、甲賀はは1人の主君に忠義を尽くすのだけど、伊賀は金銭による契約で動くのよ」
基本的には、とつけたす。
「へ〜」
…にしても、うるさい。
「ねえ、千ちゃん!あの2人止めてきてよ!」
「え!?」
ひくり、と息をのみちらりと木の影からのぞき見る。
…いろいろすさまじい戦…もとい、ケンカだ。
「仕方ない…ちょっと待っててね?」
うん!と元気な返事をする伊佐那海に苦笑しながらも2人を止めに、木の影から出た。
すっと、腰から二振りのクナイを取り出す。
だんだんと速さをあげ、鍔迫り合いをしている、2人の間に滑り込み、それぞれの刃を受け止める。
「千!?」
「千…なぜ邪魔する?」
思わず目を見開く才蔵に、こちらをにらんでくる佐助。
「くだらないことをするの、やめてくれない?」
そう言って、微笑めばびしっと音を立てて2人が固まる。
そのとき。
「いい加減にしてくんない!!?」
しびれを切らしたらしい伊佐那海がズンズンとこちらに歩いてくる。
「アタシ、真田幸村って人に会いに来たんだけど!!」