二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.16 )
日時: 2012/01/29 22:25
名前: 勾菜 (ID: rihdF037)

「で、出雲の様子は?」
「あの子の言うとおり出雲大社は火の海となり、巫女やら宮司やらの骸で埋め尽くされていました」
部屋に入るなり問いかけられた言葉に淡々と報告する。
「けれど何が目的だったのかは…しかし、彼女を襲った忍はおそらく…」
「幸村さま、あの2人城から、抜け出した」
「えっ!?」
突然現れた佐助のもたらした内容は才蔵と伊佐那海が抜け出した、というもの。
「幸村さま、私は…」
「千、お主は先に佐助とともに行け」
「はい」
「諾」
次の瞬間には千と佐助の姿はどこにもなかった。

***

千と佐助、そして幸村はそっと2人の様子をうかがっていた。

「イヤ!見捨てないでよ才蔵!」
「見捨てっ…人聞き悪っっ」
ぐすっと泣いている伊佐那海の言葉にいろいろと複雑な心境に才蔵がなった、そのとき。
「!!!」
フッと2人の体のまわりに鎖がとんできて、体を拘束した。
才蔵は手首、伊佐那海は体全体、そして右足をあげるような形で拘束される。
「あっ」
(クッ…完全に気配を断ってきた!こいつら昼間のよりやる!!)
「おお〜いい格好!」
「いいから早く殺れ」
「はいはいっと」
ぬらりっと忍たちはそれぞれの武器をかまえ、狙いを定める。
「ひっ…才蔵っ!!」
「チッ」
まずい、そう才蔵が思っても間に合わない。
「きゃああっ」
それと同時にどこからか三羽のミミズクが飛んできて、忍たちへと攻撃をする。
(これは佐助の…!!)
ハッとした才蔵が視線を滑らせると、千と佐助を従えた幸村がそこにいた。
「お前ら内府(徳川家康)の手の者だな!?狸の…ニオイだ」
「……っ!!」
忍たちは図星をさされたのか、ずざざっと幸村たちから距離をとり武器を構える。
「俺らを…エサに使ったな!?」
「悪い悪い、許せ。敵を見定めるためだ。…よもやこの程度の敵に殺られるような男ではあるまいな!?」
挑発するかのような幸村の言葉にニヤリと口元に笑みを浮かべる。
「上等だ!」
言うが早いか、才蔵は両足をカッとぶつけ、暗器を出し、自信を拘束する戒めを断ちきる。

「んなっ…!!」
鎖を操っていた忍は予想外な出来事に狼狽する。
その忍びを瞬殺し、幸村たちに啖呵を切る。

「よーく見とけよ!!
 真田幸村!!猿飛佐助よ!!それに千!!お前もだ!!」