二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.2 )
日時: 2012/01/21 22:30
名前: 勾菜 (ID: 9Q/G27Z/)

—ACT.0—

夢を見た。
どこか不安になって、胸騒ぎのする、嫌な夢を。
どこか見覚えのある社が燃えていた。
たくさんの人の骸が転がり、血の臭いでむせかえるほどの場所。
そこを神主らしき男と水色がかった神の少女が廊下を駆けて行くのが、
ほんの一瞬垣間見えた。

***

とある城。
その城内のある一室。
その部屋に敷かれた布団で丸くなるのは10代半ばを過ぎたほどの少女。
いきなり、ぱちりと少女は目を開く。
変に息が上がっていて、うっすらと汗までかいている。
障子に視線をやれば、もうじき夜明けだと伺い知れる。
「……今の、夢は」
手を額にあて、呼吸を落ちつかせるためにもう一度、目を閉じる。
冷たい手が触れている額から、体の熱を下げていくような感覚に陥る。
「……」
しばらくして、彼女はゆっくりと起き上がる。
のびをして、固まった筋肉をほぐしてから、普段着ている衣にそでを通す。


「さて——…」


ゆっくりと障子に歩み寄り、すぱんと開く。


「出雲に行かなきゃいけないかしら…?」


そう言って彼女はようやく昇ってきた朝日を、眩しそうに見つめた。