二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.28 )
- 日時: 2012/02/12 22:20
- 名前: 勾菜 (ID: h4O0R2gc)
千は幸村の部屋に続く廊下を歩いていた。
才蔵がいなくなったことに気がき、騒ぎ始めた伊佐那海を落ち着かせ、やっと一息つけたところだった。
なぜあそこまで大きな声がでるのか…
先程までキャンキャンと甲高い声で叫ばれていたので耳が痛い。
「……なんだ、幸村様の部屋にいるじゃない」
何しに行ったんだか…そう思いながら歩みを進めていく。
ふと、幸村の部屋から不思議な音が聞こえ、それから頭を押さえた才蔵が飛び出していったのを千は視界にとらえた。
***
傍まで来ると何やら六郎が眉間に皺をよせながら才蔵の消えた方を見ていた。
「あら、六郎。なんて顔してるのよ」
そう声をかければ男2人は驚いたようにこちらを見つめた。
「……なんでもないですよ」
「おお、どうしたんだ千」
相変わらずの飄々とした態度で幸村が問い掛けてくる。
「伊佐那海が外に出たいって…」
というか才蔵を探しに行くと言って聞かないのだ、と伝え、だから出かけてもいいのかと幸村に問う。
「…わかった。気をつけろ」
いいながら彼は愛用の煙管に火をつける。
「はい…ところで、先程の使者は?」
「ああ、ちと狸がうるさくてな」
なあ六郎、と幸村が視線を向ける。
「若がご容赦しないからです」
…相変わらずだな、この2人…
ふと思ってしまったことに、クスリと笑みをこぼした。
主の許可も出たのだから、さっさと行こうか、そう思い立ちあがる。
そのとき、ふと思い出し六郎に声をかける。
「六郎、頼まれてた茶葉買ってきたから」
「ありがとうございます、千。本当は私がいかなければならないのですが…」
「いいのいいの。じゃあ、幸村様行ってまいります」
幸村に対し、一礼してから千はタンッと地を蹴り姿を消した。
「六郎」
「…………はい」
端座していた六郎は視線を幸村へと向ける。
返事をするまでの微妙な間は嫌な予感がしたからである。
「先程ずいぶん千と親しげだったのう?」
「そんなことありませんよ」
「そうか?…正直なところどうなのじゃ?
まさか…すでにできているのか!?」
「できてません!!」
その後、幸村は珍しく冷静さを欠いた六郎でひたすら遊んだそうな。
**おまけ**
「で、本当のとこお主は千のことを好いておるのか?」
「…いい加減にしなさい!!!」
その言葉と共に六郎はカッと目を見開き、例の攻撃を放った。
そして、幸村を強制的に黙らせたのであった。