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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.4 )
- 日時: 2012/01/21 23:06
- 名前: 勾菜 (ID: 9Q/G27Z/)
煙幕で、辺りが見えなくなった隙に、呆然としている少女の手をとり、森の奥へと駆けだす。
「ちょっ、ちょっと!!あんた一体!!」
「静かにして、しゃべらないで」
そのまま少女は口を噤む。
だが、普段から鍛えている彼女と明らかに鍛えていない少女とでは体力の差は歴然で、だんだんと少女の息が荒くなっている。
(どうしようか…同じ手は使えないし…仕方ない)
彼女は、少女の手をつかんでいるのとは逆の手で指笛を小さく吹く。
がさり、と茂みがゆれ、一匹の狼が現れる。
「ひっ——!」
ひくりと息をのむ少女に有無を言わせず、狼の背へとまたがせる。
咎めるような視線を狼に向けられ、彼女は指示を出す。
「真、この子を乗せて走って」
すると、狼は先程よりスピードを速くして走り出す。
「いやああああああっ!!」
少女は絶叫しながら狼の背で暴れる。
当然、狼は走っているわけだから、バランスを崩すことだってある。
「ちょっと!暴れないで、大丈夫だから!」
狼に並走しながら、彼女は声を荒げた。
だが次の瞬間。見事にバランスを崩した少女は狼の背から落ちる。
「っ!!」
少女が地面にたたきつけられる前に、少女を支え、再び彼女は走り出す。
そのすぐ後ろまで忍たちが迫ってきているのを彼女は感じていた。
だが、ふと前方にもう一つ気配を感じた。
徒人ではない、忍の気配を。
しかも、その忍は相当の手練と直感が悟る。
彼女は、その最後の可能性に賭け、そのまま茂みへと少女と共に飛び込んだ。
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