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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.48 )
- 日時: 2012/03/14 21:09
- 名前: 勾菜 (ID: QBvEkUjp)
—ACT.3 運命のふたり—
真夜中。
暗い道を一人で歩いていく男がいた。
「うー寒い寒い すっかり遅くなってしもうた」
男は、肩に羽織っている羽織を首元まで寄せあげる。
そういえば、先程まで出ていた月が雲に隠されている。
「そろそろ雪でも降るかのう」
冷え込むわい、と呟く男の脇をズルッと何かが動いた。
「——なんだ?」
訝しげに手を持った提灯で前を照らす。
光に照らし出されたのは人の両足。
ぶらんと何かが動くたびにそれは揺れた。
相変わらず、ズルズルという音は続いている。
男はゆっくりと提灯を上へと掲げる。
そこには——…
人の身をゆうに越える大きさの蛇がいた。
その口から、自分と同じ足が生えているのだ。
蛇がそれを咀嚼しているのか、時折バキッという音が混ざる。
男は自分の血がサーッと引いていくのを自覚した。
ギロリと蛇の瞳が男をとらえる。
次の瞬間、男の提灯がゴトンッと地に落ちる。
「うわあああああっ」
男の断末魔の叫びが辺りに響き渡った。
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