二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黄昏に惑う舞踏会《学園ヘタリア》@オリキャラ募集 ( No.17 )
- 日時: 2012/04/02 20:52
- 名前: 颯 (ID: OLpT7hrD)
-AA-
「……何だ、此れは。」
城?え、城なの?そうなの?いや、こんなのが城じゃないとか認めないぞアタシは!!
そんなことを思う自身とは裏腹に手元の地図はしっかり、はっきり、くっきり、ばっちりとこの城らしき建物を示していて。
「行かなきゃ後が怖いしなぁ……でも行きたくないしなぁ……。」
頭の中で色々な計算をし、渋々と綺麗で豪華で大きな城らしき建物……いや、
「勉強……とか、嫌だなぁ。」
学校に足を踏み込んだのが、今から約一週間程前のことでした。
*
朝。自分の席に着いた、ただでさえ寝不足で重い体にかかった、
「いくりー、いくりー、宿題みせてー!!」
ぼむっ、と肩に係る重みと、耳に届くほんわかした声。あれ、視界にお花が飛んでるよ、なんでだろ……って原因はこの子なんだけれどね。
「フェリシアーノ、重い。退いて、ノート渡せない。」
えー、と口を尖らせた綺麗な色の茶髪にくるんが特徴的な彼、フェリシアーノは何を思ったのか全く退こうとしない。何だお前。
ヴェーとか鳴くな、ノートを受け取れ、ノートを。
「だって郁李って小っちゃくてあったかいんだ、」
「オーライ、ノートは要らないんだね。」
「ヴェーッ!?」
我ながら性格悪い。
解ってはいるけども仕方ない。
自慢の化けの皮ってわけじゃないけど、散々猫被りと言われてきたのもあり、アタシの性格はなかなかどうして残念だったりしてしまう。
「良い加減に自分で宿題くらいやりなよ。またルートに怒られるよ?」
「大丈夫、怒られる前におわらせるから!」
意気揚々、そう言ってみせたフェリシアーノ。
しかし、
「……もう怒ってるがな。」
アタシの机でがさがさとノートを書き出す奴に影が差す。影の主は言わずもがなルートことルートヴィヒ本人。
あぁまたか。もう何度めにもなるやりとりに頭が重くなったのはアタシだけじゃ無いはず。
「あらあら、またですか?」
「またですよ。」
またって言うか何時もだよ、本田さん。
黒曜石のような瞳を細めてくすくすと笑う彼は、嫌がるアタシを無理矢理この学園に引っ張り混んだうちの一人。
なんとなく敬語になってしまうのは昔の名残か。
「……ホント、良い加減にして欲しいもんです。」
ぎゃんぎゃんと騒ぎ散らす二人にアタシの呟きは届かない。
ただ、今しがたアタシのノート片手に教室を飛び出して行ったフェリシアーノ、頼むからノート使い終わったらちゃんとアタシに届けてよ?
(安否を問う。)
え、何って……ノートの。